更新日: 2023.03.30 その他
「ガソリンを半分だけ入れる」のは意味がない!? 燃費向上のポイントを解説
執筆者:嘉陽宗一郎()
ガソリンの給油量を減らすと燃費は上がる?
ガソリンの給油量を減らすとどの程度車両の軽量化につながるのか、それが燃費にどのくらい影響を及ぼすのかなどについて見ていきましょう。
ガソリンを満タンにすると何キログラム増える?
そもそもガソリンを満タンにすると車両重量は何キログラム増えるのでしょうか? 車両によって燃料タンクの容量は異なりますが、ここではトヨタ カローラのガソリン車を例として挙げてみます。
カローラの燃料タンクの容量は50リットルです。ガソリン(自動車用)の比重は0.73~0.76のため、タンクを空の状態から満タン状態にした場合、重量に換算すると36.5~38キログラム増えます。ですから、ガソリンを半分しか入れなかった場合は、満タン時に比べ18.3~19キログラム軽量化できることになります。
重量による燃費への影響はどのくらい?
重量の増減は、車両の燃費にどのくらい影響を及ぼすのでしょうか? 一般財団法人省エネルギーセンターが行った実験によると、ガソリン車の積載重量が110キログラム増えると市街地走行での燃料消費量は3.4%悪化するとの結果があります。
意外ですが、少々重量が増えた程度では燃費への影響はそれほど大きくないことがわかります。よって、ガソリンの給油量を半分にして20キログラム弱軽量化したくらいでは、燃費の向上はほとんど期待できないでしょう。
軽量化には意味がない?
ただし、先ほどの一般財団法人省エネルギーセンターの実験では、積載重量が270キログラム増加すると市街地走行の燃料消費量が8.3%悪化するという結果もあります。
重量が増せば増すほど燃費が悪くなっていくことは事実であるため、ガソリンの給油量を少なくするだけではあまり影響はないといいましたが、その他の不要な荷物をできるだけ積まないことは大切です。
また、軽量化は燃費向上以外のメリットもあります。例えば、車両が軽くなるだけ走行性能が向上しますし、パーツの消耗も抑えられるでしょう。万が一衝突した場合も、重量が軽いほど衝突エネルギーが小さくなるため安全性も向上します。
燃費を向上させるにはどうしたらいい?
軽量化以外で車の燃費を向上させる方法をいくつか紹介します。
アクセルを踏み込みすぎない
車は停止状態から発進する際に大きなエネルギーが必要です。しかし、発進する際についついアクセルを踏み込みがちな人も多いのではないでしょうか。アクセルの踏み込みを緩めて穏やかに発進するだけで、燃料消費は10%程度少なくなります。
エアコンと上手に付き合う
暑くなるとエアコンに頼りたくなりますが、外気温が25度の場合にエアコンを使うと14%燃料消費量が悪化、外気温が35度の場合は38%燃料消費量が悪化する(エアコンオフ時と比較して)という調査もあります。春や秋でそこまで暑くない場合は、窓を開けてしのげば燃費を改善できるでしょう。
また、夏場に内気循環の状態で、エアコンの風量をオートにした場合と最大にした場合では、最大にした場合の方が14%燃料消費量が悪化するとされています。そのため、風量はオートにしておくようにしましょう。
また、夏場はサンシェードなどで車内の温度上昇を防いだり、出発時に窓を開けて換気したりしながらエアコンをかけることでも省エネが可能です。夏場はエアコンの使用が避けられないため、上手に付き合うことが大切です。
ガソリン給油量を半分にしてもほとんど意味がない。その他で燃費向上を
ガソリンを半分だけ給油したとしても、軽減できる重量は20キログラム弱で燃費にはほとんど影響がありません。むしろ何度もガソリンスタンドまで行く手間が生じますし、ガソリンスタンドを往復する分ガソリンの消費が多くなるかもしれません。
ただし、車両の軽量化自体は意味があることなので、不要な荷物は積まないようにすることは大切です。燃費の向上は、アクセル操作やエアコンの使用方法などで実現していきましょう。
出典
一般財団法人省エネルギーセンター LET’Sスマートドライブ
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士