更新日: 2023.03.11 その他

「マルチ商法」「求人詐欺」大学生が新生活で注意すべきことについて

「マルチ商法」「求人詐欺」大学生が新生活で注意すべきことについて
成人年齢が引き下げられ、18歳になると親の同意なしにさまざまな契約が可能になりました。自由度が広がる反面、未熟な新成人を狙った詐欺にも気をつけなければなりません。
 
特に、1人暮らしをしている大学生はすぐに相談できる方がいないケースが多く、詐欺の被害者になりやすい傾向があります。本記事では、新生活をはじめる大学生が特に注意したい「マルチ商法」と「求人詐欺」について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新大学生が特に注意したい2つの事例

 
大学入学をきっかけに、地方から都市部に出てきて一人暮らしをする方も多いでしょう。成人年齢が18歳に引き下げられたので、大学1年生になれば自分でクレジットカードやローンなどの契約もできます。
 
しかし、大学生は社会的に未熟なため、彼らを狙った詐欺も多いのです。本項では、特に注意したいマルチ商法と求人詐欺の事例を紹介します。
 

マルチ商法の事例を解説

 
マルチ商法とは自分が商品やサービスを購入し、それをさらにほかの人に販売することによって利益を上げる方法です。マルチ商法は、現在の法律で合法となっています。しかし、会員は新しく会員を増やさないかぎり利益を得られないシステムなので、末端会員ほど利益より損失が多くなりやすいという問題があります。
 
大学生にマルチ商法の被害が多いのは、友人を介して取引が行われるケースが多いためです。サークルに入ったらそれがマルチ商法の団体で、話しているうちに引きこまれてしまった、といった事例もあります。
 
多くの大学ではサークルの管理に一定の注意を払っているようですが、特に学生数の多い大学ではなかなか対処が追いつきにくいのが現状です。「とてもよい話がある」「あなただけに教えたい話がある」といった言葉は、典型的な勧誘文句です。友人でもそんな風に誘われたら、きっぱりと断ることが大切です。
 

求人詐欺の事例を解説

 
求人詐欺とは、求人内容と実際の勤務形態が大きく異なることです。正社員や派遣社員の求人だけでなく、アルバイトにも求人詐欺があります。一例を挙げると、以下のような事例は求人詐欺に該当します。
 

●アルバイトなのに正社員なみの働きを要求される
●仕事に必要な道具を自費で購入させる
●罰則が多く、違反を理由に無給で働かされる
●ローテーション制で代わりの人をみつけないと休めない
●休憩や休みがない、勝手にシフトに入れられて学業に支障が出る

 
「仕事をしている」という責任感を逆手に取った悪質な事例も多く悪質なアルバイトを辞められず、悩んでいる学生も珍しくありません。このようなアルバイトを「ブラックバイト」といい、深刻な社会問題にもなっています。
 
また、近年はSNSで「短時間高収入」をうたったバイト募集に応募し、特殊詐欺の受け子など犯罪に加担させられるケースも増加しました。犯罪に加担してしまったら「知らなかった」ではすまされません。
 

マルチ商法や求人詐欺被害に遭った場合の対処法

 
マルチ商法や求人詐欺に遭ってしまったら、一刻も早い対処が必要です。我慢していると、お金だけでなく人間関係が悪化したり、学業に重大な支障が出たりすることもあるでしょう。
 
しかし、1人で解決するのはなかなか難しいため、相談窓口を利用するのがおすすめです。ここでは、被害に遭った場合に相談できる窓口や対処方法を紹介します。
 

マルチ商法に引っかかってしまったら

 
マルチ商法に引っかかってしまったら、まずは「消費者ホットライン」に相談してください。平日は10~12時と13~16時、土曜・日曜・祝日だと10~16時まで、全国から相談を受け付けています。
 
電話をすると、最寄りの消費生活センターにつながります。消費生活相談員、消費生活アドバイザーが相談に乗ったうえで適切なアドバイスをしてくれたり、必要あれば弁護士などの法律家を紹介したりしてくれるので、積極的に利用してみましょう。
 
弁護士事務所など法律に関する団体にいきなり相談するよりハードルが低く、対応も丁寧です。また、大学のサークルなどで勧誘されたら一刻も早く大学の学生課に相談してください。
 

求人詐欺にあってしまったら?

 
アルバイトのノルマが厳しかったりシフトを勝手に入れられたりといったいわゆる「ブラックバイト」に入ってしまったら、以下のような相談窓口に連絡しましょう。
 

●厚生労働省 労働条件相談 ほっとライン
●ブラックバイトユニオン
●POSSE
●法テラス
●お住まいの自治体の労働基準局
●大学の学生課

 
東京や京都のように学生が多い自治体は、ホームページ内でブラックバイトの相談先を掲載しています。また、大学の学生課は最も身近で頼りになる存在なので、被害に遭ったら悩まずにすぐに相談しましょう。
 
また、SNSでの短期高額のアルバイトは応募してはいけません。もし、応募してしまって保険証などの個人情報を送ってしまったら、一刻も早く警察に相談してください。黙っていると被害が大きくなります。
  

被害に遭ったら早めに相談することが大切

 
ブラックバイトなどの求人詐欺やマルチ商法の被害に遭ってしまうと、被害者が自分を責めがちです。また、恥ずかしくてなかなか相談できないという人もいるでしょう。
 
しかし、黙っていたり我慢したりしていると、被害はますます大きくなる危険があります。最悪の場合、大学に通い続けるのが難しくなることもあるでしょう。被害に遭ったと自覚したら、できるだけ早くしかるべき場所に相談しましょう。
 

出典

消費者庁 消費者ホットライン

厚生労働省 労働条件をめぐる悩みや不安・疑問は… 労働条件相談「ほっとライン」に相談してみよう

NPO法人POSSE ブラックバイトユニオン

NPO法人POSSE 労働相談

日本司法支援センター 法テラス

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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