「400万円」の奨学金。返還が不要になる場合もあるって本当？

大学進学時には日本学生支援機構などで奨学金を貸付してもらう人も多いですが、基本的には奨学金は貸与終了後に返還をしなければなりません。
 
しかし、特に優れた業績を残したと認められた場合は、奨学金の返還が免除されます。他にも大学が独自に定めている条件を満たした場合、奨学金が免除されるケースも少なくありません。
 
本記事では奨学金を返還しなくて良いケースなどについて解説するので参考にしてみてください。

日本学生支援機構の奨学金

日本学生支援機構では大学院で第一種奨学金を受けた学生を対象として返還免除される制度があります。返還免除の条件としては学問分野での顕著な成果や発明・発見などが挙げられます。
 
返還免除の条件として対象になる業績は11種類が定められており、学問分野だけでなくスポーツ分野や文化分野、ボランティア活動および社会貢献活動の実績なども含まれているのが特徴です。日本学生支援機構で定められている業績の種類は図表1のとおりです。
 
【図表1】

学位論文その他の研究論文

大学院設置基準第16条の2に定める特定の課題についての研究の成果

大学院設置基準第16条の2に定める試験及び審査の結果

著書、データベースその他の著作物(第1号及び第2号に掲げるものを除く)

発明

授業科目の成績

研究又は教育に係る補助業務の実績

音楽、演劇、美術その他芸術の発表会における成績

スポーツの競技会における成績

ボランティア活動その他の社会貢献活動の実績

その他機構が定める業績

独立行政法人 日本学生支援機構 特に優れた業績による返還免除の手続きを基に作成
 
日本学支援機構で定められている条件をクリアできている場合、学生の学習へのインセンティブ向上を目的として奨学金の全額または半額が免除される制度です。奨学金貸与終了時に大学長から推薦された奨学生に対して、日本学生支援機構の業績優秀者奨学金返還免除認定委員会の審議で決定されます。
 

大学側が定めている奨学金

奨学金には日本学生支援機構などだけではなく、それぞれの大学に進学する生徒などを対象とした大学独自のものもあるのはあまり知られていません。大学によって奨学金を受けられる条件は異なっており、例えば大学入試試験で上位何名かが全額免除されるケースもあれば、高校時代にスポーツなどで優秀な成績を残して特待生として全額免除されるケースもあります。
 
他にも経済的に進学が難しい学生を対象にしたものが挙げられ、進学時には大学ごとに用意されている奨学金については確認しておきましょう。
 
東京大学では返還不要な奨学金を含めて独自の奨学金制度が用意されていますが、それぞれの奨学金を利用するためには定められている条件を満たす必要があります。例えば東京大学光イノベーション基金奨学金では、先端光科学領域に従事する大学院生学生のうち特に優秀なものが対象です。他にも東京大学で独自で定められている奨学金については図表2のとおりです。
 
【図表2】

東京大学光イノベーション基金奨学金

東京大学女子学生奨学金

東京大学エンデバー・ユナイテッド・ホールディングス奨学金

東京大学基金スカラーペアレント奨学金

東京大学さつき会奨学金（島村昭治郎記念口）

東京大学さつき会奨学金

東京大学学部学生奨学金

東京大学 東京大学独自の奨学金を基に作成
 
本記事では国内最高レベルの国立大学である東京大学を例に挙げましたが、私立大学などでもさまざまな奨学金が準備されているのは把握しておきましょう。
 

まとめ

大学進学時には多くの学生は奨学金を利用しているといえ、一般的には貸与された奨学金は貸与終了後に返還しなければなりません。
 
しかし、優れた業績を残した奨学生に対しては返還が免除されるケースもあるのに加えて、それぞれの大学では独自に奨学金を用意しているケースも多いです。大学進学時などには奨学金についてしっかりと確認しておきましょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 特に優れた業績による返還免除の手続き
独立行政法人日本学生支援機構 特に優れた業績と評価方法
東京大学 東京大学独自の奨学金
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部

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