更新日: 2023.02.19 その他

自転車は富豪の趣味? 娯楽費が3年で10倍になった夫が振り返る「ヌマ」の怖さとは

自転車は富豪の趣味? 娯楽費が3年で10倍になった夫が振り返る「ヌマ」の怖さとは
電気代高騰や原材料費高騰など、生活費を圧迫するようなニュースが後を絶たない。そのため、節約を始めようと考える人も少なくないだろう。
 
もし、節約を始めるのであれば、趣味にかけている娯楽費を削るのも選択肢の一つだ。趣味は人生を豊かにしてくれる反面、熱中すると出費が大きくなる傾向にある。
 
ここでは趣味にのめり込み、娯楽費が膨れ上がってしまったYさんの話を見ていこう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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最初は本人もお金を抑えようと考えていた

Yさんは地方都市にてエンジニアとして働く30代男性。学生時代は中学、高校と運動部であったものの、社会人になってから運動不足を感じていた。
 
「やっぱり社会人になると、なかなか運動する機会がないですよね。学生時代と同じ感覚で食生活をしていると、太りはじめまして……」
 
そこで、30代に入ったタイミングで運動不足を解消しようと、通勤に自転車を利用すると決めた。
 
「自転車に興味のない方はご存じないと思うのですが、本格的な自転車になると本当に高いんですよ。私も初めてサイクリングショップに入ったときには、ビックリしました。ロードバイクという路面専用の自転車になると、20万円以上は当たり前です。最初は通勤に使用する予定だったので、7万円程度のクロスバイクを購入しました」
 
自転車にもいくつかの種類があり、路面走行に優れたロードバイク、山や砂利道といった悪路での走行に優れたマウンテンバイク、これら2つの中間に位置するクロスバイクが挙げられる。Yさんも最初から散財していたわけではなく、自分の用途と予算に適した自転車を選んでいたようだ。
 
とはいえ、自転車の出費にYさんは引け目を感じていたと語る。
 
「最初にクロスバイクを購入したときは、妻に後ろめたい気持ちがありましたね。なにしろ自転車に7万円ですから。家にあるママチャリは2万程度でしたから、3倍以上の自転車を購入したわけです。それでも通勤に使用する目的だということで、思い切って買い物をしました」
 
当時からしても7万円の出費を大きく感じており、長く愛用していこうと決めたそうだ。
 

徐々にのめり込み、自転車ヌマへとはまっていく……

大金をかけて自転車を購入したYさんは、その快適さに大変驚いた。
 
「クロスバイクで通勤を始めてからは、もう完全に別世界ですね。ママチャリとは全く違う乗り心地と爽快感がたまりませんでした。」
 
こうして、Yさんは通勤時だけでなく、休日にもサイクリングに出掛けるようになった。サイクリングを通じて友人も増え、徐々に自転車そのものにはまっていった。
 
しかし、自転車にのめり込むにつれ、今まで使っていたクロスバイクに物足りなさを感じるようになる。
 
「やっぱり友達が乗っている愛車を見ると、うらやましくなっちゃうんですよね。自転車本体はもちろんなんですけど、パーツや機材にまでこだわっているのを教えてもらうと、通勤用のクロスバイクでは物足りなくなります」
 
そうして、Yさんは自転車へとお金をかけるようになっていった。
 

娯楽費が急増、その出費は50万円以上!

まず手始めに通勤用のクロスバイクから、本格的なロードバイクへと買い替えた。最初は20万円以上のロードバイクでも高価と感じていた抵抗感も薄れ、友人たちと相談しながら30万円のロードバイクを購入した。
 
また、タイヤレバーやチューブ、携帯ポンプ、ライトなど自転車に必要な備品も合わせて購入していった。サイクリングに必要な備品はこれだけにとどまらない。サイクリング用のウエアやアームカバー、グローブ、サングラスなど、自転車関連の出費はどんどんと膨らんでいった。
 
自転車本体以外の関連用品だけでも、5万円を軽く超えたそうだ。
 
「ロードバイクって既製品を購入して終わりっていうわけじゃないんですよ。ホイールとかコンポーネントとかのパーツを自分好みにカスタマイズしていくんです。これがまた奥深くて、一度自転車にこだわり始めるとお金がいくらあっても足りませんね」
 
こうした自転車パーツも専門店で販売されており、自分好みの自転車に改造していくのも、一種の楽しみとされている。しかし、その価格も決して安くはなく、商品によっては自転車本体以上の価格になることもある。本格仕様のものになると、ホイールは6万〜9万円程度の商品から、15万円以上することも珍しくない。
 
また、自転車の走行性能を向上させる駆動系パーツ、静止性能を向上させる制御系パーツも、それぞれ細かく変更できる。これらのパーツは「コンポーネント」と総称され、こだわったパーツに買い替えようとすると、10万円以上は必要だ。
 
このように、自分の理想通りの自転車を手に入れるために、パーツを買い足し続けた結果、Yさんがその年自転車にかけたお金は50万円にまで上ったと語る。
 

あなたの娯楽費は大丈夫?

大前提として、個人が何を趣味にしようが、人に迷惑をかけなければ問題はないだろう。
 
しかし、趣味にかける娯楽費によって、家計を圧迫し始めたのであれば注意が必要だ。特に、結婚している家庭の場合、夫婦のどちらか一方の出費が大きくなりすぎるのは、今後の生活に大きく関わってくる。
 
もちろん、お金がかかるからといって、その趣味をやめる必要はない。重要なのは本人が節度をもって楽しめるかどうかだ。もし、今回紹介したYさんのケースに心当たりを感じるのであれば、自分の娯楽費を見直してみるのもよいだろう。
 
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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