更新日: 2023.02.09 その他
ドライブ中に「あおり運転」に遭遇!「110番通報」しても大丈夫?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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あおり運転の罰則や罰金とは?
あおり運転(妨害運転)とは、周りの車に対して威嚇や挑発するために前方の車両との車間距離を詰める、並走する車両に幅寄せする、急な進路変更や蛇行運転で進路を妨害するなどの危険な運転のことをいいます。
対象となる10類型としては「通行区分違反」「急ブレーキ禁止違反」「車間距離不保持」「進路変更禁止違反」「追い越し違反」「減光等義務違反」「警音器(クラクション)使用制限違反」「安全運転義務違反」「最低速度違反(高速自動車国道)」「高速自動車国道等駐停車違反」が挙げられます。
こうした違反行為に対し、令和2年6月10日に公布(施行は令和2年6月30日)された道路交通法(道交法)の一部を改正する法律によって、罰則が設けられました。これによって、あおり運転をした場合は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」「違反点数25点」「免許取り消し(欠格期間2年)※前歴や累積点数がある場合には最大5年」になります。
また、あおり運転のせいで危険が生じた場合は、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」「違反点数35点」「免許取り消し(欠格期間3年)※前歴や累積点数がある場合には最大10年」になるのです。
さらに、令和2年6月12日に公布(施行は令和2年7月2日)された危険運転致死傷罪の対象となる行為の追加により、あおり運転で人を死傷させると、「危険運転致死傷罪」を適用できるようになりました。これにより、さらに重い刑罰を与えることが可能となったのです。
あおり運転に遭遇した場合は?
もし、高速道路等を運転中にあおり運転に遭遇した場合、まずはサービスエリアやパーキングエリアなど安全な場所に避難しましょう。というのも、車線上や路側帯に停車すると、後ろから来た車に追突される恐れがあるからです。身の安全を確保したら、迷わず110番通報するようにします。
ただし、同乗者がいない場合でも、ハンズフリー機能やBluetooth機能等により運転しながら通報できるのであれば、運転者自ら通報できるでしょう。
道交法では運転中にスマホや携帯電話を使うことやカーナビを注視することを禁じていますが、一方で「傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く」とも定めているので、場合によっては運転中の使用も違法性はないと判断されるでしょう。
もちろん、同乗者は走行中でも110番通報して構いません。そして、警察官が現場に到着するまではドアをロックし車外に出ないよう注意しましょう。それは、あおり運転をしたドライバーに危害を加えられる恐れがあるからです。
ドライブレコーダーがあると、危険な運転をしたという証拠(場所・日時・車番・車種の映像)を記録することができます。万が一、あおり運転の加害者に逃げられた場合でも、逮捕につながる捜査や裁判に役立てることができます。
安全な場所に避難してすぐに「110番通報」をしよう!
運転中にあおり運転に遭遇したら、交通事故に遭わないよう、サービスエリアやパーキングエリアなど安全な場所に避難し、すぐに110番通報しましょう。あおり運転を行うと妨害運転罪(最高懲役5年の刑)に問われる上、被害状況によっては危険運転致死罪が適用されることもあります(最高懲役20年の刑)。
また、ドライブレコーダーであおり運転の被害を記録すれば捜査や裁判で証拠になります。ハンズフリー機能などで安全運転に支障がなければ被害を受けている運転者自ら110番通報することができます。あおり運転の被害に遭わないように対策することも必要なのです。
出典
警察庁 危険!「あおり運転」はやめましょう
警察庁 STOP!あおり運転!!
一般社団法人 日本自動車連盟(JAF) クルマ何でも質問箱 [Q] 危険な「あおり運転」を受けたら、どうすればよいのでしょうか?
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部