年収1200万以下でも「児童手当」の対象外になる!? ポイントは「年収」ではなく「所得」!
配信日: 2023.01.28
そこで本記事では、児童手当制度の概要について解説すると共に、今回変更された所得制限について紹介していきます。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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児童手当の概要
児童手当制度は、中学校卒業までの児童がいる家族に対して一定額の手当を支給する制度です。
児童が3歳未満の場合は1人当たり1万5000円、3歳以上で小学校修了前までは1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生が1万円を一律で受け取ることができます。また、「所得制限限度額」と「所得上限限度額」が設けられていて、養育者の所得金額が所得制限限度額以上で所得上限限度額未満の場合は、「特例給付」として月額一律5000円が支給されます。
支給時期は、原則として6月、10月、2月です。各支給月の前4ヶ月分の手当がまとめて支給されます。
改正のポイント
2022年10月から児童手当制度は改正され、現況届の提出が原則不要となり、所得上限限度額が設定されました。
現況届の提出が原則不要
以前の制度では「現況届」を1年に1回提出する必要がありました。これは受給資格の有無を確認するためです。しかし、今回の改正で「現況届の提出が原則として不要」となったので、養育者の負担は軽減されたと言えます。
もっとも、提出が必要な場合もあるので注意が必要です。「離婚協議中で配偶者と別居している場合」や「配偶者からの暴力などが原因で住民票の住所地と異なる市区町村で受給している場合」は現況届の提出が必要となっています。
所得上限限度額が新たに追加
これまでは所得制限限度額があり、一定の所得以上の場合は一律の特定給付となるだけでした。しかし、今回の改正で所得上限限度額が設定されたため、一定の所得を超えた場合は児童手当を受け取れなくなります。
ポイントは年収ではなく所得
所得上限限度額が設定されましたが、ポイントは養育者の所得ということです。そのため、年収で判断されるわけではありません。基礎控除や保険料控除などが差し引かれた所得によって判断されます。また、扶養親族等の人数で所得上限限度額も異なります。
具体的には、扶養親族が1人で児童が1人の場合は所得が896万円、扶養親族が2人でそのうち児童1人と年収103万円以下の配偶者の場合は所得が934万円、扶養家族が3人でそのうち児童2人と年収103万円以下の配偶者の場合は所得が972万円となっています。
また、扶養家族が3人でそのうち児童2人と年収103万円以下の配偶者の場合の年収の目安は1200万円となっていますが、あくまで目安なので参考程度に考えましょう。ご自身の所得がいくらなのか把握することが重要です。
自身の年収で判断せず、所得を把握しましょう
本記事では、児童手当制度の概要について解説すると共に、今回変更された所得制限について紹介してきました。年収が1200万円以下であっても、所得が所得上限限度額を超えてしまうと児童手当が支給されなくなるので注意してください。
また、年収が1200万円を超えていたとしても、扶養親族等の人数によっては所得上限限度額を超えない場合もあります。そのため、まずは自身の所得上限限度額がいくらなのかを把握し、所得を確認するようにしましょう。
出典
内閣府 児童手当制度のご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部