脱Androidと意気込みApple最新シリーズ一括購入! その結果とリセールバリューは?
配信日: 2023.01.20
Bさん(40歳)も知り合いのAppleユーザーからのそのような助言を受け、副業に力を入れようとAppleの最新シリーズを一括で購入した。しかし、その3ヶ月後にはほぼ全ての製品を手放す決断をしてしまったという。
Bさんが見落としていた「落とし穴」と、意外と聞くことがないApple製品のリアルなリセールバリューを伺った。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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総額50万円で最新シリーズを購入
Bさんは都内在住の40歳の会社員だ。2年前から、クラウドソーシングで自身の専門分野を生かした、記事制作や動画のシナリオ作成や監修といった副業を開始。現在は月10万円ほどの副業収入を得ているという。
「きっかけはガジェット系YouTuberの紹介動画でした。本業も副業もWindowsとAndroidの環境だったのでApple製品には興味がなかったのですが、Apple製品の魅力を発信する動画に惹かれてしまい、『Apple製品で身の周りを固めたら、きっと副業のモチベーションも効率も爆上がりするのではないか』と感じたのです。
そこで知り合いのAppleユーザーに尋ねたところ、『買うなら一気にApple製品をそろえて環境を構築したほうがよい』とアドバイスを受けてPC、スマートフォン、無線イヤホン、スマートウオッチの『4種の神器』を購入しました」
・M1チップ搭載MacBook Air スペースグレイ(メモリ16GB・1TB SSD):約22万円
・iPhone 14 Pro 256GB ディープパープル:約16万5000円
・AirPods Pro(第2世代):約4万円
・Apple Watch Series 8:約6万円
MacBook Airを2022年6月に購入し、他の製品は9月末の発表後にすぐに購入した。副業収入の約5ヶ月分の合計48万円5000円の大出費である。Bさんも計算した当初は「正気の沙汰じゃない」と思いつつも、自己投資と思うと逆に購入意欲が湧いたという。
「当然、妻は大反対でしたね。『一つひとつ使いこなせばいいじゃない』と。ただ、それではAppleの良さを最大限生かせないという、友人やYouTuberの意見を披露して納得してもらいました。妻は最後まで不満そうでしたが、結局は副業収入の多くはお小遣いの足しに使っていたので、文句は言えなかったのだと思います」
結局は物欲に負けただけ? Apple製品を3ヶ月で手放す
Apple製品が全てそろったのは2022年の10月末。ただ、iPhoneが手元に届いたときには、既にBさんには購入時のモチベーションも意欲も失われていた。その理由は、「コスト」と「慣れ」のバランスだという。
「iOSもMac OSもキーボード操作も認証も、とにかくこれまでの環境と異なるのでうんざりしてしまったのです。これが数万円の機種であれば慣れるまで我慢できるのですが、つまづく度に『何で数十万円もかけたのに、逆に不便になっているんだ?』と。私が頑張って使いこなせるようになればよいだけなのですが、逆に『何でお金を払ってまで、便利になるために頑張る必要があるんだ』とも感じてしまい……」
結局、副業の作業効率が悪くなってしまったこともあり、Bさんは残していた6年落ちのAndroidと4年落ちのWindowsノートブック、機械式時計に戻すことを決断。2022年12月にAirPods Pro(第2世代)以外を全て売り払った。MacBook Airは約11万円、iPhone14 proはおよそ約14万円、Apple Watchは約4万円とそれぞれ半額以上は回収できたという。
「Apple製品のリセールバリューの高さには驚きましたし、正直、かなり助けられました。今となっては『せめてiPhoneから始めておけば……』と欲張ってしまいますが。妻にすぐにバレてしまい、『購入時にはいろいろと理由を付けていたけど、結局は物欲に負けただけ』と言われたときはぐうの音もでませんでした(笑)。今後の家庭の買い物について、発言力は弱まりましたね……」
まとめ
今回のエピソードを伺うなかで、Bさんは読者に自身の失敗談を「新しい環境にお金をかけるときに『物欲センサー』がどれだけ働いているのか、という冷静な判断に役立ててほしい」という。
「今振り返るとAppleユーザーの友人やYouTuberの方も『環境を構築するなら、最新作じゃなくて中古や型落ちで十分』という助言は、かなり口酸っぱくしていたと思います。それでも、『どうせ買えるなら最新作を』と判断したのが私の大きな間違いでした。私が失ったのは金銭だけでなく、高いお金を払ってしまったからこそ一時の不便に我慢ができなくなり、よりよい生活になる機会を失ってしまったことだと思います」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部