駐在員の奥さんに聞く、成長する国インドネシア!その生活コストとスタイルは?
配信日: 2018.05.26 更新日: 2020.05.25
今回は、ご主人の駐在にあわせて、4年前からインドネシアに家族で移住された方にインタビューを致しました。
執筆者:田中ゆき恵(たなか ゆきえ)
イギリスCII AFP
アメリカパブリックアイビー、The University of Michigan, Ann Arborを卒業後、マレーシアを本社にもつイギリス系IFA、Infinity Financial SolutionsにてシニアコンサルタントとしてFP歴10年以上のキャリアを持つ。バンコク、ジャカルタ、クアラルンプールを中心に、海外居住者のために、財テクゲームを取り入れたお金セミナーを実施。海外居住中のへそくり術、教育資金のため方、老後資金準備法、相続対策などを得意としており、わかりやすさと包括的なアドバイスをモットーに活動中。各地の日本人向けフリーペーパーなどでも執筆協力している。
https://www.facebook.com/InfinitySolutionsJapaneseService/
インドネシアでの暮らし
インドネシアへの駐在を聞いた時は、子供が小さかったので(3歳の時)水や医療のことなど、さまざまな心配がありました。
実際に住んでみて驚いたことは、ご飯がおいしくないところと、野菜が少ないところ。生活において不便な部分はありますが、子供の学校絡みや奥様向けの習い事、イベントを通じてお友達が増えました。
インドネシアの物価について
食材は、ローカルのパサールと呼ばれる市場で買えば安く済みます。しかし、農薬問題とかが怖いため、日本食スーパーなど、信頼できるところで買うと日本で暮らしていたよりも高くついてしまいます。
しょうゆも、日本の倍くらいしますし、輸入時の関税が高いので化粧品やおもちゃも高いです。安いとと感じるのはマッサージです。住まいのコストで言うと、光熱費がインドネシアは高いと思います。光熱費だけで家族4人で4万円もかかったという話も聞いたことがあります。
銀行や金融機関などのサービスはどう?
夫が半年ほど先に現地入りしていたのですが、キャッシュカードが同じ名義で2枚以上作れないことと、子供の学費のような大きな金額を窓口で振り込む際に、名義人本人でないといけないことが不便でした。
インドネシアの医療費用とアドバイス
インドネシアはあまり医療水準が高くないので、シンガポールに飛んで治療することもあります。
これからインドネシアにいらっしゃる方へのアドバイスは、歯の治療はしてから来た方がいいということです。
旅行者保険だと、歯科治療がついていないものが多かったり、最終的に会社が出してくれるにしても、始めの段階で立て替えないといけない場合があります。
また、こちらで処方された薬が体に合わなかったという話も聞いたことがあるので、よく使う薬は日本から持参した方がいいと思います。
インドネシアの生活コストまとめと注意点
物価が安いインドネシアですが、安全性などを考えた場合、輸入品に頼らざるをえなくなり、意外とコストアップになるケースが多いことが分かりました。
また、奥様のご家庭は光熱費込のアパート契約でしたが、そうでない場合は光熱費が高額になってしまうことがあります。アパート選びの際は光熱費などの条件もしっかりチェックすることが大事なようですね。
インドネシアの銀行口座を含む外国人資産は、その名義の外国人に不幸があると「プロベート」が適応となります。所定の相続手続きをする際には、法廷に出廷して処理する必要があります。
書類なども現地語書類の提出を求められるうえに、何度も出廷することになるので、外国人資産を相続するのは遺族にとってストレスです。
キャッシュカードの発行は、本人名義1人1枚などの制限がある場合、何かあった時の「プロベート」を避けて通れません。そのため、共同名義口座のサービスをしている銀行への口座開設がマストです。
医療に関しては、歯の治療について言及されていました。ローカル医療保険でも国際医療保険でも、歯の治療をカバー内容に入れると、保険料がかなり高額になってしまいます。
また、すでに治療済みの歯はカバーできないため、加入前に歯科検診にてスクリーニングをする必要があります。
加入しても本人2割負担などの条件があったりすることを考えると、日本の国民健康保険や健康保険は「充実した保険」と言えますね。海外渡航中に利用した場合、立て替えになっても後で払い戻しができるので、日本の国保や健康保険を継続するのはいい手です。
南国の穏やかな空気や美しいビーチなど、魅力的なインドネシアですが、実際に暮らすとなると注意しないといけない点も多いようですね。
特にコストの面では、情報収集が大きな自衛になります。渡航する前に、保険や生活費についてしっかりと見直しておきましょう。
Text:田中 ゆき恵(たなか ゆきえ)
イギリスCII AFP