更新日: 2019.01.08 その他
実録!一昔前のブラック企業 着物販売会社 営業マンの苦悩
都内のオフィスで働くTさんは、かつてブラック企業で働いていました。上司が財布を預かり車で飛び込み営業地域に連れていかれ置き去りにされる、売れない商品(150万円分)を買い取らされる…などなど。
今では考えられないような過去のブラック企業の実録と、就職活動や転職活動を検討している人のために、ブラック企業の見分け方を紹介していきたいと思います。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
新卒で着物の販売会社へ入社したTさん。「真剣に営業をしてみたかった」
Tさんは大学を卒業後、新卒で着物の販売会社に入社しました。Tさんの業務は個人宅への新規営業です。
Tさんがその仕事を選んだ理由は、「真剣に営業をしてみたかった、“絶対的に必要なものではないけど高いもの”を販売してみたかったから」だそうです。
入社して知った驚くべき会社の実態。財布を没収され車から降ろされる
勤めてからしばらく経ったある日、Tさんは上司に財布を預けさせられました。その後、車に乗せられて、唐突にある場所で降ろされました。
「このエリアはあなたのエリアだから、新規受注してきて。2時間後にまた来る」
そう言い残すと、車は走り去って行きました。お財布を預けさせられたのは、喫茶店でさぼらないように、その地区から逃げないようにです。Tさんは戸惑ったものの、訪問販売の経験はすでに積んでいたので、言われるがまま営業をおこなったと言います。
訪問販売のほかに、毎月開かれる展示会で着物を売りました。展示会は全国でおこなわれ、お客さんと共に会場を回ります。
そこで着物を売ることができないと「お客さんの気持ちが分かっていないからだ」と上司から叱られ、着物を買い取らされました。同期の中には150万円ほど着物を買わされた人もいたそうです。
Tさんは1年間で総額8000万円の着物を売りました。その内の5000万円分は、一人のお客さんが買ったと言います。
Tさんいわく、着物の単価は100万~300万円。定価のないものは人によって売値が変わり、100万~150万円くらいで個人が決めたそうです。
転職を決めた理由は、「ローンが通らなくなったお客さんを見て申し訳なくなったから」
Tさんは1年働いたのち、転職を決めました。給料は25万円+歩合制と初任給としては悪くありませんでしたが、勤務日数は多く、14日間連続で出勤することもありました。
転職を決めた理由は、着物を買うためにローンを重ねた末、ローンが通らなくなったお客さんを見て、申し訳ないという気持ちになったからだそうです。着物を買わされたり、地方に飛ばされた同期のこともあり、Tさんはもう少し人を幸せにする仕事がしたいと考えました。
Tさんは現在30代半ば。新しい業界で生き生きと働いています。
Tさんの働いていた着物会社はその後、数年で倒産しました。現在は着物業界から、そのようなブラック企業は一掃されているようです。
学生さんや転職を検討されている方へ。ブラック企業の見分け方
いつの時代もブラック企業は存在します。特に社会人経験が少ない若者は、ブラック企業の見分けがつかず、長い間ひどい労働環境で働いてしまうことも少なくありません。ここで、ブラック企業の可能性がある企業の見分け方をまとめますので、チェックしてみてください。
〇規模の割に新卒の採用人数が多い
〇選考の中で会わせるのは社長や役員だけ、若手には会わせない
〇面接の時間が常に営業時間外
上記のような会社は要注意です。ブラック企業は辞めていく人が多いため、その分採用する人も多くなります。
また、都合の悪いことを隠すために、選考は社長や役員が対応。面接が営業時間外ばかりの場合は、その会社の社員が、恒常的に夜遅くまで働いている可能性があります。
最近ではネット上で、実際に働いている人の口コミが見られる場合もあります。ネットの書き込みの全てをうのみにしてはいけませんが、そのような公開情報をきちんとチェックすることも重要なことだと思います。
現在は、学生の売り手市場になっており、企業側が採用に苦戦しています。
説明会や面接で良いことばかりを言う企業もありますので、慎重に企業選びをしてください。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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