更新日: 2022.10.10 子育て

子どもが大学卒業するまでの教育費って把握してる? 教育費総額についてFPが解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

子どもが大学卒業するまでの教育費って把握してる? 教育費総額についてFPが解説
自分の子どもが大学卒業するまで、どのくらいの教育費が必要なのかを把握できていますか? 実はきちんと把握できていないという親御さんが、意外と多いのではないでしょうか。
 
長期の資金計画をする場合は何にいくらかかるかをなるべく詳細に把握することが大切です。そこで今回は、子どもの教育費に結局いくらかかるのかを現役FPの筆者が解説していきます。進学例を具体的に挙げて、どの段階で貯金すればいいのかも紹介しているので、最後までご覧ください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

なぜ子どもの教育費を把握できないのか

そもそも、なぜ子どもの教育費を把握できていない親が多いのでしょうか。理由は主に2つあります。

1. 変動が大きいため
2. かかる金額が一人ひとり違うため

 

変動が大きいため

子どもの教育費は変動の激しい支出です。高校でかかる費用を中学校までにかかった費用と同じくらいだと考えていたら、実際はもっとかかってしまったということは少なくありません。また、子どもの成績や進路に応じて、塾に通ったり、教材を買ったりする必要があり、それも教育費が変動する要因になっています。
 

かかる金額が一人ひとり違うため

子どもの教育費は一人ひとり違うので、「子どもの教育費はこれくらいかかる」と画一的な数値を出すことはできません。例えば、私立に行くか公立に行くかでも学費は変わってくるうえに、塾や予備校に通うか、浪人をするか、一人暮らしをするかなどでも費用は変わってきます。また、進路などの決定は前もってできるものではなく、そのときにならないと分からない部分もあります。
 

ケース別に解説! 教育費は結局いくらかかる?

では実際に子どもの教育費はいくらかかるのでしょうか。
 
ここでは文部科学省の発表している「平成30年度子供の学習費調査」をもとに、幼稚園から大学までの学費総額を見ていきましょう。

・幼稚園

公立:22万3647円
私立:52万7916円

・小学校

公立:32万1281円
私立:159万8691円

・中学校

公立:48万8397円
私立:140万6433円

・高等学校

公立:45万7380円
私立:96万9911円

・大学

公立:499万4000円
私立(文系):717万円
私立(理系):821万7000円

※出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」(幼稚園~高等学校)、「令和元年度 教育費負担の実態調査結果」(大学)
 
上記の結果から、私立学校は公立学校に比べ2倍の費用がかかるという話がありますが、決して誇張ではないようです。
 

具体例から見る教育費の総額イメージ

幼稚園から大学まで個々の費用が分かったところで、次は教育費の総額イメージをご紹介します。
 

例1:小学校から高校まで公立・幼稚園と大学が私立なら約900万円

幼稚園(私立)52万7916円
小学校(公立)32万1281円
中学校(公立)48万8397円
高等学校(公立)45万7380円
大学(私立文系)717万円
計 896万4974円

文部科学省の「学校基本調査-令和4年度」から、これがもっとも多い進学のパターンとうかがえます。高校までは比較的お金がかからないので、一番お金のかかる大学までに余裕をもって教育資金を貯めることができます。なお、幼稚園を名門私立にする場合はさらにお金がかかるので、この限りではありません。
 

例2:小学校から中学まで公立・幼稚園と高校、大学が私立なら約950万円

幼稚園(私立)52万7916円
小学校(公立)32万1281円
中学校(公立)48万8397円
高等学校(私立)96万9911円
大学(私立文系)717万円
計 947万7505円

小・中学校を公立に通い、高校進学時に私立に行く場合です。高校で私立を選択すると、先に紹介したもっとも多いパターンに比べおよそ50万円多くかかります。もしも私立高校に進学する可能性があるならば、比較的余裕のある中学卒業までに教育資金を貯めるのがいいでしょう。
 

例3:幼稚園から大学まですべて公立なら約650万円

幼稚園(公立)22万3647円
小学校(公立)32万1281円
中学校(公立)48万8397円
高等学校(公立)45万7380円
大学(公立)499万4000円
計 648万4705円

幼稚園から大学まで全て公立校に通うのが、理屈としてはもっともお金のかからないパターンです。そうはいっても、大学の費用にはまとまった額が必要なので、教育資金は高校卒業をめどにして確保するべきです。
 
しかし、文部科学省「学校基本調査-令和4年度」によると、公立幼稚園や認定こども園に通っている子どもは、全体の12%程度しかいません。幼稚園のみ私立に通わせるとしたら、約30万円多くかかることを想定しておきましょう。
 

例3:幼稚園から大学まですべて私立なら約1200万円

幼稚園(私立)52万7916円
小学校(私立)159万8691円
中学校(私立)140万6433円
高等学校(私立)96万9911円
大学(私立文系)717万円
計 1167万2951円

これが一番お金のかかる進路です。特に小・中学校が公立に比べて高いのが目立ちます。小学校では私立は公立の約5倍、中学校では私立は公立の約3倍もの教育費がかかります。
 
以上のことから、私立学校は公立に比べ費用がかかることが分かりましたが、小・中学校は特に注意が必要です。
 

教育費用は早めの準備が大切

教育費用は家庭の事情や子どもの希望する進路によって変化します。また、実際に進路を決めるときには、親が想定していた進路と子どもの希望する進路が違うこともあり、用意していた資金では教育費用を賄えないということも少なくありません。
 
子どもが公立校の進学を希望してくれれば費用負担は少なく済みますが、いつ私立の受験を希望してもいいように、教育資金は早い段階から準備しましょう。
 

出典

文部科学省 平成30年度子供の学習費調査の結果について
文部科学省 令和元年度 教育費負担の実態調査結果
文部科学省 学校基本調査-令和4年度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

ライターさん募集