更新日: 2022.10.03 その他

電車の「定期券」で同じ駅を出入りするのはルール違反!入場券についても解説

電車の「定期券」で同じ駅を出入りするのはルール違反!入場券についても解説
あなたは、電車の定期券を入場券代わりに使用したことはありませんか? 例えば、利用区間がA駅~B駅の定期券を持っている場合に、A駅の改札から入場し、改札内にある店舗等を利用して、そのままA駅の改札を出場するような行為です。あまり知られていませんが、実は乗車を目的としない入出場は、定期券のルールでは違反行為となります。
 
この行為がなぜ違反になるのか、その根拠と、各鉄道会社の入場券の値段などを解説します。

執筆者:小原 崇史()

定期券は乗車券の一種

定期券は、正式には定期乗車券といいます。券面に表示された区間・経路で繰り返し乗車する乗客を対象に、一定の期間で区切って発行されるもので、その名の通り乗車券の一種です。
 

乗車券類は乗車目的のみ使える

各鉄道会社の規則では、乗車目的以外で駅へ入場するには、原則として入場券が必要となります。例えば、JR東日本では旅客営業規則第147条(乗車券類の使用条件)第6項で「乗車券類は、乗車以外の目的で乗降場に入出する場合には、使用することができない」と定めています。
 
定期乗車券も、この「乗車券類」に含まれます。そのため、乗車を目的とせず入場する行為は認められないのです。PASMOのウェブサイト上でも、ご利用上の注意として「PASMOまたはSuicaなどの交通系ICカードでお見送りや改札内にあるお店への入店を目的としてご利用になることはできません」と明記されています。
 

改札には時間制限がある

しかし、実際に定期券(ICカード)を自動改札にかざして、同じ駅で入出場できた経験がある方も多いでしょう。これは、入場直後に忘れ物を思い出した人などのために、多くの駅では、一定時間内なら定期券で自動改札が開くようになっているからです。この時間設定は、鉄道会社や駅によって異なるようです。
 
しかし、あくまで利便性を考慮した運用であり、原則的にはNG行為となります。改札内のトイレを利用したい場合も係員に申し出れば通してくれることもありますが、常にそのような運用をしてくれるとは限りません。
 

入場券は200円程度

これまで説明してきたように、乗車目的以外で改札内へ入場するには定期券が使用できません。原則として「入場券」が必要です。入場券の料金は、各鉄道会社によって異なります。その一部を紹介します。
 

JRの場合

JR各社のおとな1名の入場券料金は、地域によって異なりますが130~200円の範囲で設定されています。詳しくは図表1のとおりです。
 
図表1

出典:西日本旅客鉄道株式会社 入場券|きっぷのルール
 

東京メトロの場合

東京メトロには、入場券の制度がありません。そのため駅によって対応は異なりますが、係員に申し出ると初乗り運賃(170円)で入場できる場合もあります。
 

小田急電鉄の場合

新宿ー小田原間などを結ぶ首都圏の大手私鉄である小田急電鉄では、入場券を130円で販売しています。ただし、改札内の店舗やコインロッカーなどを利用する場合は、係員に申し出ることで、全額払い戻しを受けられるサービスも実施しています。
 

定期券で同じ駅を出入りするのはルール違反!

定期券で同じ駅を出入りする行為は、実際にはできてしまいますが規約違反となっています。
 
特にJR東日本では、2021年3月から定期券以外のICカードでの有料入場が可能になったことで、今後、定期券での入場は制限が厳しくなる可能性もあります。何度も故意に繰り返していると、不正利用となり、定期券を回収されてしまう恐れもあります。定期券を正しく使用するように気をつけましょう。
 

出典

東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則
株式会社パスモ ご利用上の注意
西日本旅客鉄道株式会社 入場券|きっぷのルール
小田急電鉄株式会社 その他|お問い合わせ・FAQ
東日本旅客鉄道株式会社 IC入場サービス「タッチでエキナカ」の利用|利用方法
 
執筆者:齋藤たかひろ
2級ファイナンシャルプランナー

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