更新日: 2019.01.10 その他

口コミサイトに根拠のない悪評がしつこく書き込まれる…これって訴えられる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 池田理明

口コミサイトに根拠のない悪評がしつこく書き込まれる…これって訴えられる?
行ったことのないお店でご飯を食べる、転職サイトを使う、旅行で泊まるホテルを探す…このような時に口コミサイトをのぞいてみる人も多いのではないでしょうか。

事前に利用した人の感想を見ることで、公式サイトだけでは分からない情報を知ることができたり、心構えができて安心しますよね。

口コミサイトは利用者だけでなく、お店や企業にとっても気軽に宣伝ができるというメリットがあります。

しかし、中にはサイトを利用して根拠のない悪評を書き込んだり、お店や企業をおとしめる行為をする人も。このような人に対して、お店や企業は名誉毀損(きそん)として訴えることができるのでしょうか。
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

池田理明

監修:池田理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

口コミサイトに根拠のない悪評を書いた人に対して、名誉毀損(きそん)で訴えることができるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の池田理明弁護士にお伺いしました。

飲食店の口コミサイトを例に見ると、味の感想程度では名誉毀損(きそん)にはなりません。「ひどい味だ」「期待していたのと違った」など、主観に基づいて感想を書くことはサイトの適切な利用の範囲内と考えられます。
 
しかし、「この店はバックに黒いつながりがある」など、感想から逸脱した内容で客観的に事実ではないことを書いた場合は名誉毀損(きそん)や業務妨害にあたる場合があります。
 
また、同じ人が何度も悪評を書くことはルール違反になる場合がありますし、名誉棄損(毀損)・業務妨害となる可能性が高くなるでしょう。
 
不当な書き込みをなされた場合の飲食店としては、名誉毀損(きそん)などを理由として差止や損害賠償を求め訴えることも考えられますが、時間も費用もかかってしまいます。
 
最初の対策としては、サイトに設置されている異議申立フォーム等に届け出て削除してもらうように求めてみたり、プロバイダー責任制限法に基づく削除請求や発信者情報開示請求を行ったりすることが現実的であるように思います。
 

「どうせ訴えられることはないだろう」と高をくくっていると、痛い目を見ることも

ストレス発散や逆恨みで、特定のお店に対して根拠のない悪評を何度も書き込んだりしてはいけません。「どうせ訴えられることはないだろう」と高をくくっていると、痛い目を見ることもあります。
 
口コミサイトなどを運営する企業は、情報の共有を広げるという役割を担うとともに、不当な権利侵害を行おうとする利用者を許さないという意識も高まっているように思います。
 
口コミサイトへ書き込みをした際に残るアクセスログなどから、不当な権利侵害をした者が特定されることもあり、その場合、訴え提起などをされる可能性もあります。
 
口コミサイトは利用者の健全な書き込みによって成り立っています。うその情報や根拠のない誹謗(ひぼう)中傷は誰の役にも立ちません。口コミサイトに書き込むみなさんには、実際に利用したうえでの率直な感想を書いてほしいですね。
 
Text:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/

IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応

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