更新日: 2020.05.25 その他
きっとあなたも暮らしたくなる!? 大自然のカナダで暮らす生活や子育て環境は?
今回は、カナダの食費、住宅事情、育児環境などを、カナダで永住権を取られて、現在バンクーバーに住まれている眞鍋恭子(まなべきょうこ)さんの事例を通して、皆さんにご紹介していきたいと思います。
執筆者:井田正幸(いだ まさゆき)
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、ベンチャーキャピタルにてベンチャー企業への投資業務
シリコンバレーのビジネスインキュベーターでベンチャー企業支援
ブレイク・フィールド社設立 代表取締役社長
Break Field Vietnam Co., Ltd. 会長
Break Field(Thailand) Co., Ltd. 取締役
目次
カナダで暮らす経緯
眞鍋さんは、高校時代に単身渡米し現地のハイスクールを卒業後、日本へ帰国。その後、カナダ バンクーバーの大学へ進学します。
バンクーバーは、映画の撮影が比較的安くできることからハリウッドノースとも呼ばれており、眞鍋さんは、大学でメディア論を専攻、卒業しました。
その後、カナダでの永住権を取得するため、いったん日本へ帰国。再度移民として、カナダに渡り、大手航空会社で仕事をしながらSFU大学で経営学学士(BBA)を取得します。
永住権を持っていると働くことが可能で、あわせて大学の学費も外国人留学生として通う費用の3分の1程度になります。
その後、マギル大学でMBAを取得し、カナダのアルバータ州の政務官としてヘッドハンティングされ、在日事務所に勤務。天然資源、木材、建材、ハイテクなど、アルバータ州と日本の商品と投資を相互プロモートするような仕事に就きます。
そして、カナダ観光局本局を経て、Notaryの資格を取得し昨年独立しました。Notaryの仕事とは、専門的な法律の知識に基づき、登記ならびに供託、裁判所や各政府機関等に提出する書類の作成や認証、公正証書や遺言書等作成を行います。 日本の公証人、行政書士と司法書士をミックスした法律の専門家です。
カナダでの生活費について、
眞鍋さんに、バンクーバーでの生活についてお伺いしました。まず、物価についてですが、決して安くないようです。ランチもファストフード以外だと1000円以内で食べるのは難しく、買い物をすると商品代に消費税(GST/PST)が12%かかります。
ランチを仮に11カナダドル(約1000円)で食べた場合でもチップ(15%)と消費税で気付けば約14カナダドル(1260円)となってしまいます。
また、住宅コストも高く、バンクーバー近郊の一軒家は、中古住宅でも1億円以上します。税金面は、固定資産税、所得税も高いですが、医療費は自己負担分がなく、多くの治療を無料で受けることが可能です。
しかし、そのため、病院の多くは、混み合っており、急患で行っても、大丈夫そうだと思われると、3~4時間も待たされてしまうことがあるそうです。
子育て事情について
眞鍋さんは、8歳と11歳の2人のお子さんをお持ちです。バンクーバーでは、保育所の値段が高く、1人につき約10万円、2人で約20万円かかってしまいます。
母親が働きに出ても、場合によっては、ほとんどを保育園の料金にもっていかれてしまいます。また、多くの保育園では食事もおやつも出ないので、朝、お弁当を作って持たせなければならず、共働き家庭は結構大変なようです。
バンクーバーでも保育所の数が不足しており、待機児童の数はかなりの数と言われております。眞鍋さんも長男は、2年半待ってようやく預けることができたようです。
晴れの日はアウトドアを楽しむバンクーバー市民
カナダで暮らしていて素晴らしいところは、ワークライフバランスだそうです。バンクーバーに住んでみると、「晴れたら会社を休んで、ハイキングや海などアウトドアを満喫する」というような、生活スタンスがあります。
特に夏は夜10時ころまで外が明るいため、仕事を終わらせてから、ゴルフを1ラウンドする方もいます。仕事だけが人生ではなく、自分の生活が大切にできるというのが良いところでしょう。
カナダ人の一般的なお金の感覚
お金の感覚についてですが、カナダでは、一般的に、あまり貯蓄の文化がなく、クレジットカードでどんどん物を買っている方が多いようです。
カナダも、公的年金で老後資金が十分にまかなえる訳ではありませんが、老後のために貯めるというよりも、今を楽しむ傾向があります。それでも投資にも多くの人が興味を持ち、不動産投資などに積極的な方が多いようです。
カナダでの暮らしを検討されている方に
最後に、眞鍋さんからカナダでの暮らしを検討されている方へのアドバイスを紹介したいと思います。
カナダで暮らす場合、英語を十分話せないと、現地の人と競いあうのは難しいですし、文化も日本と大きく異なります。コンビニでおにぎりが手軽に買えるような便利さもありません。
カナダで暮らしたい方は、自分のこちらでのゴールを明確にして、取り組まれるのが良いと思います。住む環境としては、都会でありながら、雄大な自然を満喫できるカナダは最高の場所です。
Text:井田 正幸(いだ まさゆき)
ファイナンシャルプランナー