更新日: 2020.04.06 その他

少しでも負担額を減らそう!企業型確定拠出年金のライフプラン支援金とは?

少しでも負担額を減らそう!企業型確定拠出年金のライフプラン支援金とは?
個人型確定拠出年金の制度が変更になり約1年がたちました。iDeCoという愛称もテレビCMなどで浸透しつつありますが、会社員の方は勤務先に企業型確定拠出年金(企業型DC)がある方も多いでしょう。

企業型DCでは「マッチング拠出制度」や「ライフプラン支援金制度」が利用できる場合もありますが、いろいろあってよくわからないという声も出ています。今回は、企業型DCの「ライフプラン支援金制度」についてお伝えします。

福島佳奈美

執筆者:福島佳奈美(ふくしま かなみ)

【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務。子育て中の2006年にCFP資格を取得、FPとして独立。「ライフプランニング」をツールに教育費や保険、住宅ローンなど家計に関する悩みを解決することが得意です。

企業型確定拠出年金のライフプラン支援金制度とは

企業型DCは、将来受け取る退職金として企業が一定の金額を積み立て、従業員が運用方法を決定していく仕組みです。運用成績によっては将来の退職金が増えたり減ったりすることが特徴です。企業型DCは、退職金にする予定の財源を企業が拠出していますが、従業員が上乗せで拠出できるマッチング拠出という制度もあります。
 
また、「ライフプラン支援金」は、「ライフデザイン手当」など名称は様々ですが、月給や賞与の一部を将来受け取ることを目的に積み立てる企業型DCの制度です。
 
この制度は、福利厚生制度として導入され、所得控除が受けられる上、運用益は非課税であるなどマッチング拠出と似ている部分も多い制度です。但し、マッチング拠出の場合、従業員の掛金は事業主掛金を超えてはいけないことになっていますが、ライフプラン支援金ではそのような制限がありません。
 

ライフプラン支援金制度のメリットは?

ライフプラン支援金制度は、現在受け取る予定の給与や賞与の一部を将来のために積み立てるものですので、積み立てに回す部分の税金や社会保険料を減らせるというメリットがあります。
 
注意点としては、積み立てた分が給与として見なされないため、老齢厚生年金を受け取る際の計算の基礎となる平均報酬額が減ることになり、将来の老齢厚生年金額が減ることが挙げられます。とはいえ、全体的に見れば利用するメリットの方が大きいといえます。
 

ライフプラン支援金の積立金額はどうする?

ライフプラン支援金として積み立てる金額は、いくつかのコースが提示され従業員が選べるようになっていることが一般的です。
 
また、制度を利用するかどうかは自由ですので、積み立てをせずにそのまま給与や賞与として受け取ることも可能です。さらに、ライフプランに合わせて積立金額を変更することも可能になっています。但し、確定拠出年金制度は加入したら任意に脱退することはできないため、ライフプラン支援金制度も、一度積み立てを始めたら積立金額をゼロにすることは出来ませんので注意が必要です。
 
現役世代の税金や社会保険料の負担は大きくなるばかりですので、少しでも負担を減らせるライフプラン支援金制度は魅力的です。給与として受け取った後、使わずに残ったお金を預貯金に回すより、利用メリットは大きいのではないでしょうか。
 
Text/福島佳奈美(ふくしま・かなみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCアドバイザー
ふくしまライフプランニングオフィス 代表

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