更新日: 2019.01.08 その他
分譲マンションの90%は12の都道府県に集中 一番少ないのは・・
Text:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
新築分譲マンションの35%は東京都にできている
国土交通省の統計から、毎年新設された分譲共同住宅(≒分譲マンション)の戸数を都道府県別に確認してみました。都道府県別にみると毎年の新設戸数にかなりブレがあるので、平成21年度から平成28年度までの8年間の平均を求め、分譲共同住宅の多い都道府県と少ない都道府県を並べてみました。表のシェアは日本全体の戸数に対する割合です。
資料:国土交通省「住宅着工統計」
大方の予想通り、最も分譲共同住宅が多かったのは東京都で年平均38,527戸になります。日本全体の新設住宅戸数は年平均110,001戸なので、日本全体の3分の1は都内に新設されていることになります。1棟あたりの戸数を100戸と仮定すると、毎年385棟も新設されていることになります。こう考えると物凄い数です。
東京都の次に多いのが大阪府(年平均14,087戸)で、以下、神奈川県(年平均12,704戸)、埼玉県(年平均5,684戸)、兵庫県(年平均5,461戸)と続きます。どこも政令指定都市がある人口の多い都道府県で、特に驚きのない順位ですが、12番目に多い沖縄県だけは少し予想外です。他県より分譲共同住宅が好まれる理由や、戸建てを敬遠したくなる理由が何かありそうです。
日本で一番分譲共同住宅が少ないのは秋田県で、8年間に新設された分譲共同住宅の戸数は、僅か173戸(年平均22戸)しかありません。平成23年度~27年度は5年続けて0戸です。県内全域で5年間も新設分譲共同住宅がないのは驚きですが、驚くのは戸数の多い東京や大阪の人であって、地元の人は驚くこともなく当たり前と思っているのかもしれません。
秋田県の次に少ないのは山形県(年平均33戸)で、以下、青森県(年平均43戸)、福井県(年平均48戸)、山梨県(年平均59戸)となっています。東北の3県は冬の寒さが厳しいので、隙間風が少なくて暖かく、雪かきの手間も省けるマンションは適していると思えなくもないですが、何か好まれない理由があるようです。コスト面で戸建てに比べてかなり高いのかもしれません。
分譲マンションの90%は12の都道府県に集中している
共同分譲住宅の新設戸数が多い12の都道府県を合計すると、年平均98,884戸で、日本全体の90%にもなります。戸数が少ない12の都道府県を合計すると年平均8,796戸で、日本全体の1%にしかなりません。秋田県は東京都の175分の1しかなく、都道府県による差はかなり大きいと言えます。
マンション(共同住宅)にはマンションの良さがあり、戸建てには戸建ての良さがあります。ライフスタイルによって向き不向きもあるでしょうが、住みたい家に住めれば、それが一番です。
ただ、秋田県や山形県で分譲マンションに住みたい人は、選択肢が限られ、選ぶのが相当難しそうです。都心で戸建てに住みたい人も難しそうです。郷に入っては郷に従うのが良さそうですね。
Text:松浦健二
CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士