更新日: 2019.01.11 その他

『働き方改革』の今後。僕たち、私たちが考えるべきこと

『働き方改革』の今後。僕たち、私たちが考えるべきこと
近ごろ耳にする“働き方改革”により、時短勤務や在宅勤務が整備されつつあります。人手不足が深刻化するなか、より働きやすい環境が整うことは喜ばしいことです。
“働き方改革”が私たちにもたらすメリット・デメリットを考えたいと思います。
宮﨑真紀子

Text:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

人それぞれの働き方

そもそも“働き方改革”とは、「一億総活躍社会」を目指す政府の取り組みです。
 
厚生労働省ではホームページで、「女性も男性も、高齢者も若者も、障害や難病のある方も、一人ひとりのニーズにあった、納得のいく働き方を実現するため、“働き方改革”の実現に向けて取り組みを進めていきます」と記載しています。このスローガンのもと、さまざまな取り組みがなされています。
 
例えば、子育て中の主婦や現役を退いたシニアも、時短勤務・在宅勤務といった形態で現場復帰が進んでいます。身近では近所のコンビニで、シニアの店員さんが増えたことを実感しています。現役の会社員にとっても、テレワークが進むと通勤時間が短縮され、残業時間も削減されます。こうしたことは、自分の自由に使える時間の確保につながります。
 
“時間を有効に使える”ことが“働き方改革”が私たちにもたらすメリットといえます。時間に余裕ができれば、家族と過ごす時間を増やすこともできます。「いつか」「そのうち」と漠然と思い描いていた、趣味や勉強に時間を充てることも可能です。
 
副業を認める会社も増えていますので、かねてより起業を考えていた人にとっても、働きながら準備をすることや、場合によっては二足のワラジを履くチャンスとなります。改革が順調に進むと、厚生労働省が掲げた“納得のいく働き方の実現”が、私たちにとって大きなメリットになる日も近いかもしれません。
 

自分の強みを活かすための準備

“働き方改革”が、私たちにもたらすデメリットについて考えます。
 
この改革によって効率化が進むと、単純な作業はロボットが代替するようになるでしょう。人間には、さらに高い能力や技術力などが求められます。この期待に沿うためにはスキルアップや経験が必要です。自由に使えるようになった時間で、自己研鑽に励むことになります。自分の強みを分析し、活かすよい方法を、自分で探さなくてはなりません。
 
厚生労働省のデータによると、企業が毎月支出する従業員1人あたりの教育訓練費は、2016年が1112円。ピークの1991年が1670円だったそうです。人材育成に対する投資が減っているというものですが、この陰には企業が求める人材の変化があると考えます。
 
25年間で企業と従業員の関係は様変わりしました。以前は、社員全員を対象とした社員教育が行われていましたが、近年は、より個人を重んじる傾向がありますので、均一的な教育の機会は減っているのではないでしょうか。
 
スキルアップや資産形成といった、社内教育がされていたことは、自発的に勉強する方向にシフトすると思います。もちろん、これはデメリットではありませんが、社内で自由度が増すということは、自己責任の範囲も増えるということです。
 
何事にも受け身でいると、折角の“働き方改革”の恩恵を受けられないこともあります。自分のやりたいことや強みについて、向き合ってみることが必要だと思います。
 
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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