更新日: 2019.08.20 その他
ラッキー!店側の会計ミスで安く会計できちゃった。これって何か問題が?
「きちんと言おうか?」それとも、「このまま黙っていようか?」迷ったことのある人もいるのではないでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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弁護士
開成高校卒、東京大学法学部卒。弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。どんな相談に対しても「わからない」とは言わないことをスタンスに、日々クライアントのために奮闘中。
【東京桜橋法律事務所】
編集部の見解は?
きちんと言えば、店員さんは調べるので、時間がかかり、待たされ、面倒くさいなとも迷っているうちに、会計が終了してしまい、言えずじまいで、お店を出てしまうケースも。その後、何か悪いことをしたような罪悪感を抱いてしまう人もいるのではないでしょうか?
もちろん、ファイナンシャル フィールド編集部としては、倫理的に、正しい金額を支払うことをお薦め致します。
但し、そもそも、店側のミスで間違った請求金額を出してきたものに対して、我々は、法律上は、告知や支払いの義務はあるのでしょうか。支払わないで、そのまま帰ってしまった場合、詐欺罪などになる可能性はあるのでしょうか?
この件に関して、東京桜橋法律事務所の豊田賢治弁護士にお伺いいたしました。
詐欺罪になる可能性は?
まず、店員さんが間違えやすいように意図的に何らかの誘導をした場合は、詐欺罪(十年以下の懲役)にあたる可能性があります。何も誘導せず、ただ黙っていた場合であっても、明らかに大きな会計漏れがあって、それに即座に気づいたような場合、それを店員に言わなければならない義務が生じることがあります。
そのような義務が生じる場面であるのに、あえて黙って間違った会計のままで支払って一部の代金の支払いを免れたとすると、やはり詐欺罪にあたる可能性があります。
例えば、一人1万5000円のコースを二人分頼んで、それとは別に一本2万円のドンペリを頼んで飲んだとして、店員がドンペリの会計入力を忘れて(本来は5万円の会計となるところ)3万円の会計になっていたという場合、気づいていれば、店員に間違っていることを伝えなければならないと言えそうです。
それにもかかわらず、そしらぬ顔をして3万円だけ支払って店を出て、店からの追及を完全にかわしたというようなケースでは、詐欺罪となる可能性が相当程度ありそうです。
まとめ
実際にこのようなケースで発覚し、実際に犯罪として摘発されることはあまりないでしょうが、個人のブログなどに経緯を書いて公開したりすると、それをきっかけとして発覚して摘発されることも想定されます。
TEXT:ファイナンシャルフィールド編集部
監修:豊田 賢治 (とよた けんじ)弁護士
東京桜橋法律事務所 所長 http://tksb.jp/
弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。
現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。