更新日: 2020.05.25 その他
一度海外で働きたい!タイに来る日本人若者が増加中。その仕事と生活とは?
タイは今や日本人に人気の国となっています。日本人、タイ人向けの日系人材紹介会社「パーソネルコンサルタント株式会社」の山本真知子さんに、タイに住む日本人 、特に現地採用として働く日本人の仕事と生活についてお聞きしました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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弁護士
開成高校卒、東京大学法学部卒。弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。どんな相談に対しても「わからない」とは言わないことをスタンスに、日々クライアントのために奮闘中。
【東京桜橋法律事務所】
目次
タイの日系人材紹介会社へ仕事を探しに来る人は二極化
「パーソネルコンサルタント株式会社」にはどんな日本人が訪れるのでしょうか。登録に来る日本人求職者は二極化しているそうです。
まず20~30歳代。最近ではタイをとり上げるテレビ番組も多いため、この層はその影響もあってタイに来たり、一度は外国で働いてみたいという気持ちを持って来たりする人が増えています。もうひとつが50〜60歳代。この層は元々タイに駐在していた経験があり、早期退職後や定年退職後などでまたタイにやってくる場合が多いようです。
日本人向け求人で多いのは営業職と技術職。最低賃金は月給5万バーツ
タイの就労ビザは、シンガポールと比べると比較的簡単に取得できます。ただしタイでも高度な技術を持っている人を集めるため、日本の大学を卒業している事、大学を卒業していない場合は、一定期間の社会人経験や、技術を持っている事を条件としています。タイでの日本人向け求人で多いのが、圧倒的に製造業での営業や技術職。一部ITやその他サービス業の営業などもあります。
営業は主に日系企業に対して行うことになるため、日本人としてのマナー、常識が求められます。そのために、日本人が必要とされるのです。タイでは日本人の最低賃金が決まっており、その金額は月給で5万バーツです。日本円で換算すると17万円ほど(1バーツ=3.4円で換算。以下同様)。
優秀な人材なら月給10万 バーツ前後もらうこともあります。タイ人の新卒が月給1.5万バーツ程度であることを考えると、新卒の日本人であってもタイ人の新卒の約3倍の給料となりますので、相応の成果や指導力が求められます。賞与は業種等にもよりますが、年間で平均3ヶ月分ほどが支給されるそうです。
バンコクは住居費も物価も日本より安い。屋台なら一食130~240円
タイの首都バンコクでの暮らしはどのようなものになるのでしょうか。
住居は中心部から電車で30分くらいの場所で、1DKのプール・ジムが付いた新しいコンドミニアムでも1万数千バーツほど(1万3000バーツとすると日本円で4万4000円程度)で住むことが出来ます。都市部でも古いアパートなら1DKで1万バーツを切る物件もあるとのことです。
住居費も物価も、タイは日本よりも安価です。意外と生活用品や電気代は高いようですが、美味しくて種類も豊富なフルーツが安価で購入できたり、食費や公共交通機関の料金が安いところは魅力です。多くの日本のスーパーや日本食屋があるので、日本食が恋しくなる心配もありません。日本食の場合、 一回の食事(ランチ)で最低でも100~300バーツほど(日本円で340~1020円ほど)。
タイの屋台はさらに安く、40~70バーツ(日本円で136~238円)で食事をとることができます。ただし、屋台の料理は油が古く衛生面での問題もあるので、お店はよく選ぶことと、安いからと言って毎日食べるのはあまりお勧めできません。
女性が活躍するタイ社会。日本の若者には目標を持ってきて欲しい
タイ社会では多くの女性が活躍しています。女性の管理職もとても多く、出産・子育てに理解がある職場環境があることなど、女性にも多くのチャンスがあります。
ここで、山本さんからお聞きした、タイに行く際のアドバイスをご紹介します。
「多くの日本の若者に、タイへ来て働いてみて欲しいと思います。日本では経験できないこと、見聞きできないことがたくさんあるはずです。ぜひ何か目標を持って来てください。タイで働く際は、現地の人々への敬意を忘れず、文化や価値観の違いを受け入れることを楽しんで、タイで働かせてもらっているという意識を常に持って仕事に励んでいただきたいと思います。」
最後に、海外で生活するときの注意点を、東京桜橋法律事務所の豊田賢治弁護士にお聞きしました。
タイの経済発展は目覚ましく、特に首都のバンコクは日本人から見ても驚くほど都会です。ただ、貧富の格差は大きく、スリを含む窃盗、ひったくり、詐欺等の被害はまだまだ多いようです。温暖で物価が安く、食事も美味しく、生活の利便性も高いタイですが、日本とは歴史も宗教も政治も違います。気を緩ませ過ぎることは禁物です。
タイで働く場合、原則として在留許可(ビザ)と労働許可(ワークパーミット)が必要になります。また、外国人の就業が禁止されている職種があるので、注意しましょう。
タイでは労働法制を含め労働者を保護する法令が整備されていますので、不当な扱いを受けたときは、現地の専門家に相談してみるとよいです。
TEXT:ファイナンシャルフィールド編集部
監修:東京桜橋法律事務所 豊田賢治 弁護士