更新日: 2020.05.27 その他

ウィズ・コロナ時代の会社員の働き方は「複業」志向に。障壁になっていることって?

執筆者 : 藤木俊明

ウィズ・コロナ時代の会社員の働き方は「複業」志向に。障壁になっていることって?
ウィズ・コロナ時代、つまりコロナと共生していかなくてはならない時代には、考え方を変えることが求められます。これまでの働き方、やり方でやっていけるのか? 
 
会社員もフリーランスも意識変容が必要だと言われています。
 
非営利支援団体「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」 (東京都中央区、代表理事:平田麻莉、以下「フリーランス協会」)は、フリーランスと会社員に対するコロナ禍の前後での意識変容調査を行い、その結果を公表しました。
 
同調査では、フリーランスの実に約9割が新型コロナウイルス感染拡大により「業務に影響があった」と回答し、7割以上のフリーランスが「収入が減った」と回答しています。
 
また会社員パネルでも、3割以上が「収入が減った」と回答しており、一概に「会社員=安定」とも言い切れない甚大な影響が浮き彫りとなったようです。ここでは「会社員」について詳しく見ていきましょう。
 
藤木俊明

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

会社員にも「働く機会」「収入」が減ったという影響

同調査によるとフリーランスで働く人の87.3%が新型コロナウイルス感染拡大の「影響があった」としており、具体的には「取引先の業務自粛による取引停止(53.9%)」がトップです。結果として「収入が減った」とする人が74.4%にものぼるようです。
 
それでは会社員でいれば安泰なのでしょうか? 同調査で会社員対象に集計したところ、コロナ禍前に比べて「働く機会が減った(40.6%)」「収入が減った(32.1%)」と、やはり甚大な影響があると思われる数字です。
 
会社員のみなさんは「今の仕事や働き方の問題を解消する、満足度を高めるための取り組み」は何だと考えているのでしょうか? 次のような回答があがっています。(複数回答)
 
 ・副業(66.6%)
 ・非営利活動(55.3%)
 ・フリーランス(46.4%)
 ・起業(46.5%)
 
これは筆者の推測ですが、会社員の副業志向は高まっているものの、先行きの見通しがつきません。会社を辞めるより、「複業」で会社以外の収入またはやりがいのある仕事を増やしていこうという意識が表れているのではないかと考えます。それは次の調査からも読み取れます。

企業の内外を自在に移動する働き方をしたい

『ウィズ・コロナ時代には働き方はどう変わるのか?』という問いについて、会社員は「時間・空間の制約からの解放(81.6%)」をトップにあげています。
 
これはテレワークを経験したことにもよるでしょう。次は「企業の内外を自在に移動する働き方の増加(60.7%)」「兼業・副業・複業の一般化(60.1%)」と続きます。まさに、この3つが「複業志向」を表すのではないでしょうか?
 
「複業志向」ということは、会社を辞めないで、別の仕事の選択肢を持ちたいということです。次の調査からも伺えます。
 
『実際に「副業」をしようと思った場合、何が障壁になりますか?』という問いについて、コロナ禍前には、「安定性」が障壁(つまり不安定になるのは嫌だと言うことでしょう)とした人は19.1%でしたが、コロナ禍後には「安定性」が障壁とした人は27.8%に増えています。
 
つまり、「副業はしたいけれど安定は失いたくない」という気持ちが、不況を目前にして強くなったのでしょう。それは当然のことです。まだ副業を認めない会社も少なくありません。
 
そうなれば、会社にちゃんと筋を通して非営利の複業を行おうというのが自然です。多くの会社も社会貢献の意義のある非営利の複業は認める方向でいますので、そこで新しい考え方、働き方を模索するのが上策かも知れませんね。

まとめ

ウィズ・コロナ時代は、安定性を重視しながらも、会社以外での別の働き方をやっていきたい、つまり複業などで企業の内外を自在に移動する働き方をしたいという会社員が増えていきそうです。
 
出典 ※一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「コロナ禍でのフリーランス・会社員の意識変容調査結果」2020年5月21日報道発表より
 
執筆者:藤木俊明
副業評論家


 

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