更新日: 2019.10.25 その他

消費税増税、不満を感じている人は半数近く。増税直後の意識調査の結果とは

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

消費税増税、不満を感じている人は半数近く。増税直後の意識調査の結果とは
10月に消費税が10%に引き上げられ、約1ヶ月が経過しました。買い物した時に「えっ、こんなに税金かかるの?」と感じたり、「絶対欲しいわけではないから今は買うのはやめておこう」と思ったりと、意識の変化がある人もいるかもしれません。一方で特に増税を意識せずに過ごしている人もいることでしょう。
 
「不満買取センター」を運営し、消費者の不満データを収集する株式会社Insight Tech(本社:東京都新宿区)は、2019年10月1日 、 10月2日にかけて「消費税」に関するインサイトデータの確認、分析を行いました(※)。
 
そうすると、消費税増税直後の一般消費者の本音がかいま見えてきたようです。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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消費税増税に半数近くが「怒り」や「嫌気」。不満が高い人は消費意欲が減退

消費税増税に関する不満については、「怒り」が16%、「嫌気」が31%と、47%が不満を感じていることが分かりました。
 
不満を感じている人にサービスや商品の利用頻度の変化があったかを聞くと、「怒り」「嫌気」を抱えている消費者の6割近くが、サービスや商品を利用しなくなった、もしくは利用頻度が減ったと回答しました。消費税増税への不満が高い人は、お金を使う機会が減ったようです。
 
また、消費税増税に関する不満の声については、「給料が上がらない」「軽減税率が適用されない」「増税に便乗して」「生活が苦しくなる」「納得いかない」などが多く見られました。
 
寄せられた不満の声を分析し、頻出するワードを含む意見を集めると「便乗値上げ」「高齢者・ご年配」「テイクアウト・お持ち帰り」などの9つのカテゴリーに分けられました。次にカテゴリーごとの主な意見を見ていきます。
 

増税と同時に施行されたキャッシュレスによるポイント還元、幼保無償化は不公平と感じる人も

「便乗値上げ」を含むコメントでは、「8%の際もそうだったが増税に伴う便乗値上げが多すぎる、消費税分を越えた大幅な値上げだった」といったものがありました。残念ながら増税に便乗して値上げする店があるようです。
 
「高齢者」「ご年配」を含むコメントには、「キャッシュレス決済のポイント還元制度について、高齢者やキャッシュレス決済ができない低所得者などには還元できず、金持ちしか得にならない」といった意見がありました。
 
高齢者はカードをあまり使わないので、ポイント還元の恩恵にあずかれる人が少ないということでしょう。
 
「還元」「キャッシュレスの還元」については「ややこしすぎて理解できない」「カード・スマホ決済をしない人がいる以上、不公平な還元だと思う」といったコメントがありました。
 
「子供」「親」を含むコメントに関しては、「子どもがいないので保育園などが無償になっても個人的には関係ない」と、この10月に始まった幼保無償化に関して、幼児をもつ親以外は特にメリットがないという意見が見られました。
 
これらに共通するのは、消費税増税と同時に始まったキャッシュレス決済のポイント還元や、幼保無償化について、誰もが恩恵を受けられるわけではないので不公平だという意見です。政府は増税する代わりにさまざまな還元策を実施していますが、国民全員がうれしい施策とはならないようです。
 

軽減税率対象に不満あり。日用品も軽減税率対象にしてほしい

「軽減税率」を含むコメントでは「増税やら軽減税率やら電子マネーの還元やらややこしいし、使える使えない格差があって平等じゃない」「軽減税率が分かりにくいし、お店側も大変」というように、分かりにくい、ややこしいというのが不満なようです。
 
軽減税率に関しては「テイクアウト」「お持ち帰り」を含むコメントでも言及されていました。
 
「ファストフードや安いファミレスで食べるのは消費税10%で、デパ地下の高級弁当が8%って分類されるのはおかしい」「飲食店のテイクアウトは10%でも良いが、日用品のトイレットペーパーやティッシュも軽減税率にしてほしかった」というように、軽減税率対象商品に納得できないという意見が見られました。
 

増税した成果について政府に説明を求めるコメントも

「生活」「暮らし」を含むコメントでは「毎月、増税したことによってどれだけ国が良くなったのか、成果を教えてほしい。国民は生活が苦しくなるばかりだから。」というように増税の成果を問う意見がありました。
 
また、「給料」「賃金」については「消費税が上がっても給料が上がらないからその分どこかで節制をするしかない。国民全員が2%節制したら、消費が減る。そこを政府はどう考えているんだろう」と、賃金が上がらなければ増税しても消費は減るばかりというコメントが見られました。
 
「国民」「国民のこと」を含むコメントは、「結局、何が増税で軽減税率なのかも分からない。国はもっと国民に周知してもらおうと何かするべき」というものでした。
 
まとめていうと、国民に痛みを強いるのだから、政府は増税してちゃんと成果が出たか説明してほしいということですね。少子高齢化で今後税収が減ると見込まれており、消費税引き上げは致し方ないと思われますが、これによりどんな成果が出るのかは今後ぜひ報告してほしいですね。
 
出典 ※株式会社Insight Tech「消費税増税に関する調査」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部


 

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