更新日: 2019.06.19 家具・片付け
片づけの美学47 家にお客さんを招いて、モノを減らす
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
「お客さんを招く」で片づけを成功させる
片づけたい場所にお客さんを招くと片づけがとても進みます。なぜなら、だれもが「よく思われたい」という欲求を持っているからです。
「ぐちゃぐちゃな家だな」より、「きれいな家だな」と思われる方がうれしいですよね。そんな自分の気持ちを原動力にして、張り切って片づけを進めていきましょう。
片づけは自分の生活を快適にする大切な作業ですが、自分のための作業にやる気が出ない場合もあります。片づけが面倒で、やる気が出ない人ほど、この方法は効果的です。出来るだけ「よく思われたい人」にお客さんになってもらいましょう。
招く日は大切です。2~3週間後を目安に予定を立ててみましょう。直前では作業をする時間が取れないかもしれないし、あまりに後では片づけへの熱意が飛んでいってしまいかねません。
コツコツと片づけをはじめ、直前に見直しとスピードアップで胸を張ってお客さんを迎えしましょう。
お客さんの動線をチェック
片づけは効率的に進めていきましょう。きれいになった実感があると、やる気が出てきます。今回の場合は、見えない引き出しの中の作業よりも、見えている部分を片づけていくと成果がわかりやすくていいですね。
大切にしたいのは、お客さんの動線です。お客さんが通る場所、居る場所をまず片づけていきます。特に見えやすいのは目線の高さです。
歩く場所なら立った目線。座る場所なら座った時の目線の高さを確認してみましょう。見えやすい場所のごちゃごちゃを片づけるだけでもずいぶんスッキリ見えるはずです。
ごちゃごちゃとしたモノを移動させるだけでは作業がもったいないので、必要か不必要かの分別は同時にしてください。必要なモノかどうかの判断は、これからも使うかどうかを基準に。
できれば、この1年で使ったものだけを残したいですが、決断できない場合は別の基準でも。不必要なモノはすぐに捨てる必要はありません。不必要なモノを入れる場所を作り、そこに集めていきましょう。
お客さんの動線は、自分の普段の暮らし動線とも共有しています。お客さんのための片づけが自分にとっても快適な空間になるので、片づけが進むにつれて、自分の気持ちも変化してくるはずです。清々しい気持ちや、もっとやろう!という前向きな気持ちになるといいですね。
最後の仕上げは、大切に。
お客さんが来る前日か当日、最後の仕上げをして、よりスッキリした空間にしましょう。
自分ではモノを山積みにしておくことが当たり前かもしれませんが、別の置き方ができるかもしれません。スッキリした空間になれば、同じものでも見方を変えることができるかもしれません。
自分の当たり前を少し疑い、違う収納や置き場所を検討してみましょう。また、ゴミや脱ぎ捨てた服なんかが落ちていないかもチェックしておきましょう。
お客さんになって、体験するのも刺激になる
「お客さんの目線」を想像することが難しい場合は、自分がお客さんになるのもおもしろい体験です。お友だちの家におじゃまして、よその家ではどんなことが気になるのか覚えておきましょう。
初めての場所に行くと、自然とキョロキョロ周りを見回してしまうでしょうし、目につくところがあるはずです。お友だちの家で「お客さん目線」の練習をさせてもらい、自分の片づけの参考にしてみましょう。
どんなところがきれいで、素敵だなと思ったか。どんなところで、「こうしたらもっといいのに」と思ったかを、自分の家で活かせるといいですね。
定期的に来てもらう
家が散らかりやすい場合は、定期的にお客さんに来てもらうと刺激になり、“きれい”をキープしやすくなります。
自分や家族をお客さんに見立てて、片づけをしてみるのも一手です。自分に合う方法を探して、きれいな空間をキープしていけるといいですね。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表