最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.12.05
暮らし

2019年4月にスタートする「専門職大学」って何?大学や専門学校との違いやデメリットは?

産業界の要望により短大以来55年ぶりに大学制度の中に新たに専門職大学が加わりました。大学・短大、専門学校とどのように違うのか、どのような特徴があるのかを保護者も高校生も知っておく必要があります。ポイントを解説します。
 
新美昌也

Text:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

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新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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専門職大学って何?

産業構造の急激な転換などの経済社会の状況や高等教育をめぐる状況の変化などを踏まえ、今後の成長分野を見据えて、「高度な実践力」と新たなモノやサービスを創り出す「豊かな創造力」を兼ね備えた新しいタイプの人材育成の強化が急務とされています。
 
専門職大学は、農業、情報、観光、医療、保健、クールジャパン分野(マンガ、アニメ、ゲーム、ファッション、食など日本が強みとする諸分野)などのリーダーになれる人材を育成するための実践的な職業教育を行う高等教育機関です。
 
ひとことで表現すれば、大学と専門学校のそれぞれの良さを融合した学校といえます。
 

大学・短大との違い

大学では、通常、1.2年で教養科目を学び、3.4年で専門科目を学びます。専門教育と教養教育や学術研究を併せて行いますので、学問的色彩の強い教育が行われる傾向にあります。
 
専門職大学では、学術的知識だけでなく、実践的能力の育成が重視され、長期の企業での実習などを含め、現場と連携した、より実践的な教育が行われます。
 
具体的には、必要な専任教員の4割以上は実務家教員とし、その半数以上は研究能力を併せ有する実務家教員でなければなりません。
 
卒業要件単位の概ね3分の1以上を実習等で修得、長期の企業内実習(インターンシップ)が必須化(4年で600時間以上)されています。
 
授業を行う学生は原則40人以下です。なお、社会人にも学びやすい履修形態になっています。社会人の場合、入学者の実務経験を通じた能力習得を勘案して、一定期間を修業年限に通算できます。
 

専門学校との違い

専門学校は、美容師など特定の職種に必要となる知識や技能を身につけることができる高等教育機関です。 専門職大学は、専門学校ではなく、大学の中に位置づけられています。
 
したがって、卒業時に学士の学位が取得できます。
 
専門学校では、専門士や高度専門士の称号が取得可能です。専門士は大学への編入資格、高度専門士は大学院への入学資格になります。専門職大学では、業界でのリーダーになれる人を養成するため、専門学校よりも実践的な職業教育が行われます。卒業時に学士の学位が取得できます。
 

奨学金は利用できる?

専門職大学等は既存の大学制度の中に位置づけられますので、日本学生支援機構の奨学金制度の対象となっています。
 

専門職大学はどんな人に向いている?

やりたい仕事、なりたい職が決まっている「スペシャリスト志向」の生徒、高度な実践力を身に付けて我が国の成功分野や地域産業の変革の担い手になりたい生徒、専門高校で学んだ経験を活かして進学したい生徒、「学士(専門職)」「短期大学士(専門職)」の学位を取りたい生徒などに向いています。また、学び直しをしたい社会人にも向いています。
 

専門職大学にはデメリットはないの?

専門職大学は、大学と専門学校のそれぞれの良さを融合した学校といえます。実態はどうでしょうか。
 
まだ、スタートしていないのでわかりませんが、今回、設置申請のあった17校のうち、設置が認められたのは、「高知リハビリテーション専門職大学」たった1校だけでした。
 
その理由について、「専門職大学等の審査結果について(大学設置・学校法人審議会大学設置分科会長コメント)」(平成30年10月5日)に述べられていますので紹介します。
 

「今回諮問された多くの申請案件で、専門職大学の特色である実習の内容、評価基準、実施体制が十分検討されていない、優れた実務上の業績がない者が実務家の教授等として申請されている、実践的かつ創造的な専門職業人材の専門性の支えとなるべき理論の教育が不足しているなど大学教育としての内容・体系性が不十分、教育課程連携協議会の構成員が不適切、理論と実践を架橋する教育を行う機関として専門職大学等に求められる「実践の理論」を重視した研究を行う施設・設備が整備されていないなどの課題が見られ・・・」

など、準備不足と大学を設置する社会的責任の重みの自覚の欠如などが指摘されています。
 
このようなコメントは異例だと思います。このコメントを見る限り、専門職大学は当分の間は、進路先としては慎重になったほうが良さそうです。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー
 



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