更新日: 2019.01.11 その他
築地や豊洲だけじゃない!都内に10ある「東京の台所」を知っていますか?
それらの市場も見学可能だったり、おいしい食事処があったりします。今回は築地、豊洲以外の10市場について、その数字をのぞいてみましょう。
Text:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
やはり巨大な築地・豊洲、そして引けを取らない大田青果市場
まず比較のため、閉場した築地市場の数字を見てみます。
(0)築地市場(閉場)
■取扱数量(金額)
・水産:1676トン(1611百万円)
・青果:1095トン(323百万円)
(平成26年1日当たり)
■敷地面積 約23万平方メートル
1日あたりでこの数字です。やはり巨大な市場だったのですね。ちなみに豊洲市場の敷地面積は約40万平方メートルだそうですから、豊洲の巨大さもわかります。
ちなみに東京ドームの広さが約4万7000平方メートルです。その単位を頭に置いていただければ、この後、それぞれの市場の広さがイメージできるでしょうか。
(1)大田市場~東京モノレール流通センター
■取扱数量(金額)
・水産:33トン(38百万円)
・青果:3623トン(997百万円)
・花き:288万本(161百万円)
(平成26年1日当たり)
■敷地面積 約38万平方メートル
大田市場は、秋葉原にあった青果市場が移転したもので、青果や花き(かき)の取扱いがメインですが水産物も取り扱っています。野菜や果物を仕入れに来た業者が、ちょっと鮮魚も仕入れていくというニーズがあるのでしょう。敷地面積は築地市場を凌駕する広さです。
2018年10月21日には市場まつりが開催されます。こちらへはJR品川駅、大森駅からバス、東京モノレール流通センター駅から徒歩15分です。
都心にまだまだあるコンパクトな中央卸売市場
(2)豊島市場~巣鴨
■取扱数量(金額)
・青果:360トン(78百万円)
(平成26年1日当たり)
■敷地面積 約2万3000平方メートル
青果を取り扱う市場です。そもそも江戸時代は神田、千住と並ぶ三大青果市場として栄えたそうです。規模が小さい分、アットホームな雰囲気とのこと。ここでも10月21日市場まつりが開かれます。JR・都営三田線巣鴨駅から徒歩10分程度です。
(3)淀橋市場~大久保
■取扱数量(金額)
・青果:881トン(210百万円)
(平成26年1日当たり)
・敷地面積 約2万3000平方メートル
現在の新宿北部がまだ淀橋区だった場所にできました。青果の取り扱いでは大田、築地に次ぐ規模です。その割に施設が狭いため混雑するので、見学するときは時間には気をつけた方がいいとのこと(午後推奨)。10月28日に市場まつりが開催されます。こちらへ行くときはJR大久保駅から徒歩6分程度とのこと。新宿からも歩けそうです。
(4)足立市場~千住大橋
■取扱数量(金額)
・水産:67トン(63百万円)
(平成26年1日当たり)
■敷地面積 約4万2000平方メートル
都内で唯一の水産物専門の中央卸売市場です。食事処もあり、2018年11月10日には千住の魚河岸「あだち市場の日」が開催されます。都心からも行きやすいので、築地市場が閉場し、豊洲市場が開場する間、魚介類の仕入れをこちらにシフトしたお店もあったと報道されていました。
京成線千住大橋駅から徒歩3分程度です。
世田谷や多摩地域にもある中央卸売市場
(5)板橋市場~高島平
■取扱数量(金額)
青果:480トン(106百万円)
花き:56万本(28百万円)
(平成26年1日当たり)
■敷地面積 約6万平方メートル
戦後の人口増による団地建設にあわせ、開設された大型青果市場です。場所的に、埼玉県の業者も多く売買に参加するようです。10月28日に市場まつりが開かれます。都営三田線新高島平駅を下車して徒歩5分程度です。
(6)世田谷市場~砧
■取扱数量(金額)
青果:163トン(36百万円)
花き:81万本(41百万円)
(平成26年1日当たり)
■敷地面積 約4万平方メートル
東名高速東京インターが近く、神奈川などの業者も仕入れに来るそうです。切花のフラワーデザインコンテストや鉢物の品評会が毎年実施されるなど、世田谷ぽい?取り組みがされているようです。10月21日に市場まつりが予定されています。東急田園都市線用賀駅か小田急線成城学園前駅などからバス便を使うことになります。
(7)北足立市場~舎人(とねり)
■取扱数量(金額)
青果:596トン(145百万円)
花き:57万本(26百万円)
(平成26年1日当たり)
■敷地面積 約6万平方メートル
足立市場の取り扱い増加により、青果部を移設、また周辺の花き市場を統合してできた比較的新しい市場です。都営「日暮里・舎人ライナー」舎人公園駅下車 徒歩10分。
(8)多摩ニュータウン市場~永山
■取扱数量(金額)
青果:86トン(19百万円)
(平成26年1日当たり)
■敷地面積 約5万7000平方メートル
東京都中央卸売市場の中で唯一多摩地域にある、比較的歴史が新しい市場です。京王線、小田急線永山駅よりバス便。
(9)葛西市場~葛西臨海公園
■取扱数量(金額)
青果:496トン(111百万円)
花き:68万本(27百万円)
(平成26年1日当たり)
■敷地面積 約7万4000平方メートル
10月28日に市場まつりが開かれます。東京メトロ東西線西葛西駅、葛西駅、JR葛西臨海公園駅よりバス便です。
東京唯一の食肉専門中央卸売市場は芝浦に
(10)食肉市場~芝浦
■取扱数量(金額)
食肉:353トン(495百万円)
(平成26年1日当たり)
■敷地面積 約6万4000平方メートル
東京都中央卸売市場の中で唯一お肉専門に扱う市場が芝浦にあります。全国から国産の銘柄牛や銘柄豚が集まってきています。JR品川駅下車 港南口より徒歩3分
東京都中央卸売市場の11施設(今後築地は豊洲になります)を紹介しましたが、その他にも地方卸売市場が八王子や国立などにあります。また、神奈川や埼玉、千葉にもそれぞれ卸売市場があります。一般客も立ち寄れるところが多く、美味しくリーズナブルなお店もあるはずです。お子さん連れで見学もいいかも。地元近くの卸売市場で楽しみを見つけ出してください。
※東京都中央卸売市場(出典)
※2018/10/19 内容を一部修正させていただきました
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
副業評論家