更新日: 2019.01.10 その他

あなたは一生賃貸に住み続ける?それとも『自分の家を買いたい』と考える?

執筆者 : 萬實赳志

あなたは一生賃貸に住み続ける?それとも『自分の家を買いたい』と考える?
一生賃貸に住み続けるかと考えたとき、「いつかは自分の家を買いたい」と考える方は多いのではないでしょうか?
 
自分の家を持つのは憧れですよね。住宅購入はよく「人生最大の買い物」といわれます。
 
失敗したくはないものの、何を基準に考えたらいいのかわからないという方が最近よく相談に来られますので、今回はその判断材料をご提供できればと思います。
 
萬實赳志

Text:萬實赳志(ばんみ たけし)

AFP認定者

1988年4月5日大阪生まれ大阪育ち。
大学卒業後、「家庭の経済事情で進学できない子供を0にしたい」という思いから生命保険業界を志し、
国内大手生命保険会社入社。営業職員支援・教育に携わる。震災直後後の福島県にも2年間赴任。
その後自ら直接お客様に保険の大切さを伝えたいという思いから、生命保険販売のプロとなるべく外資
生命保険株式会社に入社。一社専業FPとして2年半セールスに携わり、毎週連続契約40週以上での表彰、
部門別表彰では全国5位となるなどお客様から評価いただく。
一社専属のセールスパーソンではお客様をお守りしきれないことに限界を感じ、さらに大きな安心、
多くのサービスをお客様に提供したいという思いから、独立系FPの集団である日本ファイナンシャル
プランニング株式会社の創業期に参画。現在に至る。
モットーは「家庭円満」。趣味は映画鑑賞、読書、妻と出かけること。

住宅相場はどうなってる?

国土交通省発表の不動産価格指数(住宅)(※1)によれば、2011年1月と2018年5月を比べると、戸建てはほぼ横ばいですが、マンションは約1.4倍になっており、顕著に価格が上がっています。
 
電車に乗って移動していると、建設中のタワーマンションなど、高級マンションをよく見かけます。人気の理由は、駅や商業施設から近くて便利、女性や子どもにとってセキュリティが充実している、いざというとき転売や賃貸に出しやすいなどのイメージがあるからなのではないでしょうか?
 
実際、タワーマンションなど、高級マンションの購入希望の方がご相談にいらっしゃいます。相場だけを見ると「今は買い時ではないのかな」と思われるかもしれませんが、他にも以下に挙げるような判断要素があります。
 

過去最低水準の住宅ローン金利

住宅ローンには大きく分けて、フラット35に代表される「固定金利」のものと、「変動金利」のものがあります。
 
例えば、フラット35の場合、住宅金融支援機構「フラット35借入金利の推移 返済期間21年以上35年以下」(※2)によれば、2018年9月時点で、2008年6月より1.5%以上下がっています。
 
小さいようですが、毎月の返済額、総返済額ともにかなり差が出てきますので、金利の面でいえばかなり優位な局面です。
 

住宅購入をサポートしてくれるさまざまな国の制度

代表的なものは住宅ローン減税制度、通称住宅ローン控除です。
 
国土交通省の「住宅ローン減税制度の概要」から引用すると、「住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、年末のローン残高の1%を所得税(一部、翌年の住民税)から10年間控除する制度」とされています※3。
 
具体的には、毎年末の住宅ローン残高、または住宅の取得対価のうちいずれか少ないほうの金額の1%が、10年間にわたり所得税の額から控除されるということです(住宅の取得対価の計算においてはすまい給付金の額は控除されます)。
また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。
 
この制度をフル活用すれば、10年間でMAX400万円の還付が受けられるので、活用しない手はありません。ただいつまでもこの制度がある保証はなく、延長が議論されてはいますが、現行では2021年12月入居開始までが対象です。
 
他にも所得が一定以下の方を対象に「すまい給付金」がもらえる制度や、贈与税の非課税枠が住宅取得資金贈与の場合は拡大される制度もありますが、要件や期限があるものなので、事前に自分の場合どのような国の制度が使えるかを確認しておく必要があります。
 

消費税増税

2019年10月には消費税の増税が控えており、現行の8%から10%に上がる可能性が大きいと思われます。今のところ、政府が消費増税をやめるという決定は出ていません。
 
たとえ2%でも数千万円の買い物の2%というのはとても大きな違いです。契約、引き渡しのタイミングによって適用される税率が変わりますから、注意が必要です。
 
この消費税のことも頭に入れておく必要があります。
 

おわりに

いかがでしょうか? ここまでいろいろな判断要素をご紹介してきましたが、まず考えていただきたいことは、本当に家を買った方がいいのか、買うとしたら戸建てかマンションか、新築か中古か、そして買うとしたらなぜほしいのかということです。
 
賃貸にも引っ越しがしやすいなどのメリットがあります。ライフプランに沿って考え、やはり「いつかは買いたい」のであれば、低金利や国の制度をどううまく使えば自分たちに一番よいか、戦略を立てていくとよいでしょう。
 
※1国土交通省発表の不動産価格指数(住宅)
※2住宅金融支援機構「フラット35借入金利の推移 返済期間21年以上35年以下」
※3国土交通省「住宅ローン減税制度」
 
Text:萬實赳志(ばんみ たけし)
AFP認定者

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