更新日: 2019.01.10 その他

満員電車に乗らなくていい働き方!テレワークの魅力

満員電車に乗らなくていい働き方!テレワークの魅力
新しい働き方として注目されている「テレワーク」。早起きして、満員電車に乗ってオフィスに行かなくてもいい、時間を自分でコントロールできる…など自由なイメージが先行しているようですが、実際はどうなのでしょう。
 
形態としては、次の2つ。会社員として自宅や移動先、またサテライトオフィスなどで仕事をする「雇用型」。個人事業主として委託契約により業務を行う「自営型」です。
 
今回は、「雇用型」に焦点をあて、社会的背景、企業側、働く側の観点からテレワークについて考えてみます。
 
大竹麻佐子

Text:大竹麻佐子(おおたけまさこ)

CFP🄬認定者・相続診断士

 
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表
証券会社、銀行、保険会社など金融機関での業務を経て現在に至る。家計管理に役立つのでは、との思いからAFP取得(2000年)、日本FP協会東京支部主催地域イベントへの参加をきっかけにFP活動開始(2011年)、日本FP協会 「くらしとお金のFP相談室」相談員(2016年)。
 
「目の前にいるその人が、より豊かに、よりよくなるために、今できること」を考え、サポートし続ける。
 
従業員向け「50代からのライフデザイン」セミナーや個人相談、生活するの観点から学ぶ「お金の基礎知識」講座など開催。
 
2人の男子(高3と小6)の母。品川区在住
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表 https://fp-yumeplan.com/

テレワークとは?

総務省のホームページによると、「テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と定義づけられています。
 
価値観やライフスタイルが多様化するなか、より多くの人が活躍できる環境、社会と繋がる機会を提供することが望まれます。テレワークはワーク・ライフ・バランスの実現をはじめとした、よりよい社会づくりへの効果が期待できるとされています。
 

社会的背景から見た国の推進

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が7月6日成立しました。
 
団塊世代が75歳を迎え、超高齢社会がさらに深刻化すると言われる2025年を目前に控えています。
 
少子化により、高齢者を支える世代が減少していく流れの中、日本の社会保障制度(年金、医療、介護制度など)は危機的状況にあります。
 
日数、時間、場所を特定しない働き方ができれば、高齢者、女性、障碍者など、働きたくても働けなかった人が能力を発揮することも可能です。また、収入を得ることで社会保険料を負担することになり、結果として社会保障制度の財源を確保できます。そんな意図もあり、政策として積極的に推奨されています。
 

企業としてのメリット

優秀な人材を出産や育児、介護、配偶者の転勤により失うことは、企業にとって大きな損失です。
 
テレワーク導入によるメリットは、(1)業務効率化による生産性の向上(2)育児・介護等による労働者の離職の防止(3)遠隔地の優秀な人材の確保(4)オフィスコストの削減などが考えられます。在宅勤務という体制を整えることで人材を確保できれば、生産性を維持することができます。
 
最近では、ガン治療と仕事の両立を支援する動きが広がっています。闘病中にテレワークを活用し、治療後に従来の業務へ復帰できる体制づくりを検討する企業などが増えています。「働きやすい会社」「社員の健康状態まで配慮してくれる会社」は、社員のモチベーションが向上し、結果として、売上アップに繋がります。
 

働く側から見たテレワークのメリット

出産や子育て、介護により、働き続けたいが「退職」を選ばざるを得なかった人、社会復帰に躊躇している人、フルタイムでの会社勤務が困難な人などにとって、「テレワーク」という柔軟な働き方は選択肢のひとつとなります。
 
具体的なメリットとしては、(1)通勤時間の短縮(2)業務の効率化(3)時間外労働の削減(4)育児や介護と仕事の両立の一助に(5)ワーク・ライフ・バランスの実現などがあげられるでしょう。
 
ただし、誰でも、どんな職種でもテレワークが可能なわけではなく、またすべての人に同じようにメリットがあるわけではありません。情報通信技術を活用した働き方が前提となります。自宅からパソコンで会社にいる社員と連絡を取り合うことができる、テレビ会議ができるなど、環境を整えた上で仕事ができる人、職種に限定されます。
 

注意点と今後の課題

今回の法案可決の中で、テレワークを行う社員に対する「労働基準法などの関連法律適用のガイドライン」が明確化されています。
 
企業は、労働条件(時間や賃金、就業場所など)を明示し、原則として労働時間を適正に把握する義務があります。働く側は、好きな時間に働くのではなく、〇時から〇時までこの業務を自宅で行うなど、記録・報告する必要があるのです。
 
子育てのために業務を中断する際は、休憩時間なのか、時間単位の有給休暇なのか、移動時間は労働時間に該当するのか、みなし労働時間を設定するのかなどを、前もって就業規則に記載、明示しなければなりません。
 
「ワーク・ライフ・バランスの実現」「ゆとりのある働き方の実現」など、比較的、自由なイメージのテレワークですが、要するに「少子高齢化による労働力人口の減少の社会で、より多くの人が効率よく働きましょう」というものです。限られた時間の中で成果を出すということを理解した上で、働き方のひとつとして考えてみましょう。
 
もうひとつの形態「自営型」はあくまでも個人事業主ですので、個人で仕事を請け負い、業務を行う働き方になります。労働時間の規定や就業場所の明示はありませんが、社会保険は国民保険、国民年金へ加入することになるため、全額負担です。「雇用型」以上に、時間管理能力や業務管理能力、責任感が必要となります。
 

ファイナンシャルプランニングから見たテレワーク

子育てをしながら、介護をしながら「仕事をする」ということは、時間的にも労力的にも大変ですが、「収入を増やす」手段として有効です。
 
ファイナンシャルプランニングから考えても、短期~長期にわたってお金の流れに大きな効果が期待できます。月々の収支だけでなく、将来の年金額を増やすことが可能となります。
 
国の後押し、企業の取り組みを受けて、自分らしい「働き方」を見つけたいですね。
 
Text:大竹麻佐子(おおたけまさこ)
CFP🄬認定者・相続診断士

ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表

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