更新日: 2020.04.07 その他
マイホームが欲しくても増税が怖い… 「すまい給付金」ってご存知ですか?
これは、住宅購入にともなう消費税の負担を軽減させるための制度です。
消費税が8%に引き上げられたのは、2014年4月でした。そして、2019年10月には10%へ引き上げが予定されています。
日常生活においても消費税の負担は大きいですが、なんといってもマイホームを購入する人にとって、消費税はかなりの負担になります。
そこで、すまい給付金とは何か、そして給付金を受け取れる要件は何か等、お伝えしたいと思います。
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ
保険代理店勤務を経て独立。資産運用と保険に強いファイナンシャル・プランナーとして、子育て世代向けに相談やセミナーを行っている。全国どこからでも受講可能なオンラインセミナーを毎月開催。自宅で学べる手軽さと講座内容のわかりやすさが好評。子どもが寝てからでも参加できるよう、セミナーや相談は夜も行っている。
すまい給付金の概要
すまい給付金とは、2014年4月から2021年12月まで実施される制度です。目的は消費税率引き上げによる、住宅取得者の負担を緩和することです。
収入額が一定以下の人を対象として、消費税率8%の時は最大30万円、10%の時は最大50万円が給付されます。
対象者の要件
・住宅を取得し、登記上の持ち分があり、その住宅に自分で居住すること
・収入が一定額以下であること
収入の目安金額は、消費税率8%の時は510万円以下、10%の時は775万円以下です。しかし、給付金の計算にあたっては、年収ではなく、住民税の金額が基準となります。
・金融機関の住宅ローンを利用せず、現金で住宅を取得する場合、年齢が50歳以上
住宅の要件
・8%、あるいは10%の消費税率が適用されていること(※1)
・床面積が50平方メートル以上あること
・第三者機関の検査を受けた住宅であること
(※1)個人が売主となる中古住宅の場合、住宅に消費税はかかりませんから、給付対象外となります。中古住宅については、宅地建物取引業者から購入する場合など、消費税が課税される住宅が対象となります。
住宅ローンを利用しているか、また新築か中古かによっても、細かな要件は異なります。下記は、すまい給付金のホームページに掲載されている図です。
すまい給付金ホームページより
表中に「a住宅ローン減税の対象住宅要件」と記載がありますが、住宅ローン減税と要件が重なっていることを表示しているだけであって、住宅ローン減税を受けているかどうかは、給付要件に関係ありません。
住宅ローンを利用している人は青枠、現金で住宅を購入した人は赤枠が給付要件です。
いくら給付されるのか
給付額は、住民税の都道府県民税所得割額を基準に計算されます。所得割額によって、給付の基礎となる金額が計算され、それに持ち分割合をかけた額が給付されます。
給付の基礎となる額は、消費税率が8%の時であれば、10万円、20万円、30万円のいずれかです。
消費税率が10%の時は、10万円から50万円まで10万円きざみとなります(住宅ローンを利用しない場合は20万円から50万円まで10万円きざみ)。
下記、すまい給付金のホームページで給付金の対象となるか、また、いくら給付金がもらえるか、シミュレーションできますから、試してみてはいかがでしょうか。
http://sumai-kyufu.jp
申請期間と申請方法
すまい給付金は、住宅の引き渡しから1年(当面の間1年3カ月)以内であれば申請できます。申請は、すまい給付金申請窓口に申請書を持参するか、事務局に申請書を郵送することで、申請が可能です。
なお、被災者向け給付措置として、すまい復興給付金を利用する場合は、すまい給付金と重複して給付を受けることができません。
住宅を買ってまだ間もない人、すまい給付金を申請したかどうか思い出してみてくださいね。
また、これから住宅を購入される人も申請できるかどうか、自身の要件をチェックしてみましょう。要件が合えば家計がずいぶん助かる制度です。
Text:前田 菜緒(まえだ なお)
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP(R)認定者