最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.06.15
暮らし

居酒屋によくある「お通し」 拒否することはできる?できない?法律的に考察してみた

執筆者 : 柘植輝

居酒屋など一部の飲食店においては、入店後にオーダーをしなくとも「お通し」が提供されることがあります。
 
「お通し」はほとんどの場合代金が発生するため、オーダーしていないのになぜ代金を払う必要があるのかと問題になることがあります。
 
オーダーしていなくとも、お店側から提供された「お通し」の代金を支払わなければならないのでしょうか。
 
そこで、今回は「お通し」についてよくある2つのパターンを例にして、それぞれ法律的観点から考察しました。
 
柘植輝

Text:

Text:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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柘植輝

執筆者:

Text:柘植輝(つげ ひかる)

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大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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注文は契約である

まずは飲食店におけるオーダーの法的性質について確認しておきましょう。
 
飲食店でのオーダーは契約の申し込みです。基本的に契約は当事者の意思が合致することで有効に成立します。
 
例えば、お客さんが「この料理をください。」とオーダー(申し込み)します。
 
それに対しお店側が「かしこまりました。」と承諾したとしましょう。この場合、お客さんのオーダーとお店側の承諾によって両者の間で意思の合致が存在します。
 
それにより、料理の提供についての契約が有効に成立したと考えられます。
 
逆に、料理のオーダーについてお店側が拒否したとすると、両者の間で意思の合致が存在しません。そうなると、料理のオーダーについての契約は成立しなかったことになるのです。
 
では、以上の基礎知識をもとに、具体的な事例について考察していきましょう。
 

事例その(1)お通しについて事前に説明のある場合

おそらく一番多いであろうパターンです。
 
店先の看板や店員さんなどからお通しについて事前に説明があった場合はどうなるでしょうか。
 
この場合お通しは有効となります。
 
なぜなら、料理の提供という契約の内容にお通しも含まれていると解釈できるからです。
 
「最初の料理と一緒に一品だけお通しもオーダーしてね」といった契約だと考えるとわかりやすいでしょう。
 

事例その(2)事前の説明やオーダーもなくお通しが出てきた場合

では、お通しについて事前の説明が一切なく、オーダーもしていないのにお通しが提供された。
 
といった条件ではどうでしょうか。
 
この場合、申し込みとそれに対する承諾の意思が存在しておらず、契約は成立していないと考えられます。
 
とするのであれば、この場合におけるお通しは有効ではないと考えるのが妥当でしょう。
 
自動で提供されてきたお通しを拒否し、代金の支払いを免れることも可能と考えられます。
 

事例その(3)箸をつけてしまった

では、事例(2)の状況において、お通しに箸をつけてしまっていたとしたらどうでしょうか。
 
この場合、お通しは有効となり、代金の支払い義務が発生すると考えられます。
 
なぜなら、お通しが出された時点でお店から契約の申し込み(いわゆる誘因)が存在し、箸をつけたことで、その申し込みについて承諾したとみなされるからです。
 
そのような理由により、オーダーも事前の説明もなく出されたお通しが有効になると考えられるのです。
 

「お通し」については事前に確認を

居酒屋などの飲食店においてお通しはある程度一般的にはなっている反面、それについて不満の声も根強く上がっています。
 
法律的観点からいえば、お通しは有効であると判断されることが多いでしょう。
 
とはいえ、個別具体的な状況によっては今回の考察と異なる結論が導かれることもあります。
 
お通しについてトラブルを避けるのであれば、入店時の確認や、提供前される前に明確な拒否の意思を示しておくことが望ましいでしょう。
 
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士・2級ファイナンシャルプランナー



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