更新日: 2019.05.17 その他
「働き方改革」の時代!スキルアップに使える国の給付金制度を活用しよう
雇用保険と言うと、会社を辞めたときにもらう「失業手当」をイメージする方が多いかもしれませんが、決してそればかりではなく、一定の教育訓練を受けるときや、育児・介護休業で働けないときなどに給付金を受けることができます。
つまり、サラリーマンとして会社に在職中にも賢く活用する方法があるのです。さらに、2018年1月からは雇用保険法の一部が改正され、「教育訓練給付金」が拡充されています。
Text:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
「働き方改革」で人材育成の機運が高まっている?
教育訓練給付制度とは、雇用保険の被保険者や退職者が、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練講座を自己負担で受講したときに、入学料や受講料など実際にかかった経費の一部を給付金として支給してくれる制度です。
制度には、「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練金」の2種類があります。一般教育訓練の支給額は、受講等費用の20%で上限額は10万円です。
一方、専門実践教育訓練給付金については、2018年1月からさらに内容が拡充され、支給額は3年間で最大168万円となりました。
国としては、自発的なスキルアップや資格取得を促すことで「働き方改革」を実現させたいという狙いがあります。
また、非正規雇用の若者や子育てのために退社を余儀なくされていた女性の職場復帰やキャリアアップを後押しするため、eラーニング等を含めた多様な講座が新規に開発されています。
支給額UP、上限額UP、支給対象者の要件緩和
2018年1月1日以降に受講を開始する専門実践教育訓練については、まず支給率がアップされ、受講者が支払った教育訓練経費の50%(従来は40%)、さらに資格取得等をした場合は追加で20%の合計70%(従来は60%)が支給されます。
また、支給の上限額については、年間で40万円(従来は32万円)、資格取得等した場合は56万円(従来は48万円)に拡大されました。
例えば、入学料が10万円で、6カ月ごとに40万円の授業料の指定講座を2年間受講した場合、従来までは2年間合計の教育訓練経費170万円に対して、支給額は資格取得した場合に最大で96万円でした。
2018年1月以降受講を開始した場合には、支給額は最大で112万円となり、実にプラス16万円のUPとなっています。
さらに、これまではサラリーマンの場合、雇用保険の被保険者として雇用された期間(支給要件期間)が10年以上(初めての場合には2年以上)必要でしたが、2018年1月以降に受講を開始する専門実践教育訓練からは、退職者を含めて支給要件期間が3年以上(初めての場合は2年以上)と緩和されました。
また、これまでは前回の教育訓練給付金の受給日から次の受講開始まで10年以上、間を空けることが必要とされていましたが、このインターバル期間が3年以上と大幅に短縮されています。
さらに、妊娠、出産等の理由で教育訓練の受講を開始できない日数の延長についても最大で20年まで可能となりました。
「働き方改革」に自分磨きは不可欠!
人生100年時代とも言われる中で、これからの時代は、自分自身がひとつの会社の中で、ひとつの分野のみをきわめるだけで一生を終えることが難しくなってくるのかもしれません。
しかし、自分が本当に好きなこと、興味があることを一生の職業にできることも至福の喜びと言えるのでしょう。それを見つけるためには、数多くのチャレンジが必要だと思います。人間は一生学び続ける(続けなくてはいけない)生き物なのかもしれません。
思い立ったが吉日です。サラリーマンとしてのメリットである給付金制度を活用して、自分自身の可能性を見つけるチャレンジに活用しましょう。
Text:高橋 庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー,住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士