最終更新日: 2019.01.08 公開日: 2018.05.01
暮らし

あなたは本当に理解していますか?通常の保証人と連帯保証人の違い  

執筆者 : 柘植輝

一口に保証人と言っても、通常の保証人なのか、それとも連帯保証人なのかによって責任の重さが全く異なってきます。
 
通常の保証も連帯保証も同じ保証人だと思って契約を結んだところ、想像していた内容と全く異なってしまうということも起こりえます。
 
そこで、通常の保証と連帯保証の主な違いについて、Aさんの事例をもとに解説していきます。
 
柘植輝

Text:

Text:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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柘植輝

執筆者:

Text:柘植輝(つげ ひかる)

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大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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保証契約書に保証人として署名し、押印をした

AさんとDさんは知人であるBさんから「借金の保証人になってくれないか?」と頼まれました。
 
そこで、AさんとDさんは、お金の貸主であるCさんとの間で1000万円の借入金について、Bさんと連帯して保証する旨の連帯保証契約書に署名し、印を押しました。
 
後日、お金の貸主であるCさんより、連帯保証人であるAさんに対し「連帯保証人として、Bさんに代わり1000万円の借金を返してもらいたい。場合によってはあなたに対して強制執行による財産の差し押さえも考えています。」と連絡がありました。
 
それに対し、Aさんは次のように反論しました。
 
「あなたもご存じの通り、Bには返済するだけの十分な資力があるはずです。家も近いし、私よりもまず先にBに話をするべきでは?それに、連帯保証としてDさんもいるのだし、私が1000万円全額を支払うのには納得がいかない」と反論しました。
 
さて、AさんはCさんの請求どおり、1000万円全額を支払わなければならないのでしょうか。
 
それとも支払いを拒むことができるのでしょうか。
 
あるいは1000万円のうち一部だけを支払えばよいのでしょうか。
 

保証と連帯保証の違いその(1)連帯保証人には催告の抗弁権が認められない!

催告の抗弁権とは「まずは主たる債務者であるBさんに請求してくれ」と求めることのできる権利です。
 
通常の保証契約による保証人であればこの権利が認められているのですが、連帯保証人には認められていません。
 

保証と連帯保証の違いその(2)連帯保証人には検索の抗弁権が認められない!

検索の抗弁権とは主たる債務者であるBさんに資力があり、かつ取り立てが容易であることの証明を条件に、Bさんの財産へ強制執行をなすまで、保証債務の履行を拒むことのできる権利です。
 
催告の抗弁権同様、連帯保証人には検索の抗弁権が認められていません。
 
そのため、主たる債務者よりも先に連帯保証人の財産が差し押さえられてしまう、という事態も起こりえます。
 

保証と連帯保証の違いその(3)連帯保証人には分別の利益が認められない!

保証人が複数人存在する場合、基本的に各保証人は等しい割合で債務を負担することとなります。
 
つまり、1000万円の債務について2人保証人が存在する場合、それぞれ500万円について責任を負うこととなります。
 
ところが、連帯保証人においては分別の利益が認められていません。
 

【結論】AさんはCさんの請求どおり、1000万円全額について責任を負う必要がある

連帯保証人には「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」そして「分別の利益」が認められていません。
 
したがって、Aさんは「まずBさんに請求してほしい」とは言えず、そして、CさんがBさんの財産よりも先にAさんの財産へ取り掛かってきても文句は言えない、ということになります。
 
また、もう一人の連帯保証人であるDさんの存在を理由に500万円のみ責任を負うという主張もすることができません。
 
もっとも、連帯保証人であったとしても、通常の保証と同様、主たる債務者であるBさんや、もう一人の連帯保証人であるDさんに対し、支払った部分について返してくださいと言う権利(求償権)は認められています。
 

保証と連帯保証の違いに注意してください。

連帯保証人には、通常の保証人よりも重い責任が課せられています。
 
保証人となる際は契約の内容を十分に確認し、通常の保証人なのか、それとも連帯保証人なのか見極める必要があります。
 
安易に保証人、特に連帯保証人としての地位を引き受けてしまうと、後々取り返しのつかない結果を招いてしまうかもしれません。
 
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士・2級ファイナンシャルプランナー



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