更新日: 2019.01.11 その他
都内私立中学校の納付金を比べて分かる金額の差は最大100万円以上!?
親としては子どもがどの道を選ぶことになっても、問題ないよう準備をしておきたいところですが、いくらかかるかわからなくては備えようがありません。
そこで、今回は私立の中学校に行った場合を想定して、私立中学校にかかる費用を学校別に調べてみました。
Text:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
学校によって大きく異なる初年度納付金(総額)
初年度納付金(総額)は「授業料」「入学金」「施設費」「その他」の合計です。
「授業料」と「その他」は毎年度納付する費用で、「入学金」と「施設費」は入学時に一括納付する費用です。まずは初年度納付金(総額)の高い高校と低い高校を挙げてみました。
都内の中学校で初年度納付金(総額)が最も高いのは、町田市にある玉川学園中学部(IBクラス)の1,873,000円で、平均値949,416円のほぼ倍になります。最も低いのは八王子実践の548,000円で、平均値より40万円も低く、玉川学園中学部(IBクラス)の3分の1以下です。
表の中学校以外は初年度納付金(総額)が684,000円超、1,362,000円未満の範囲に入っていますが、それでもまだ倍くらいの開きはあります。なお、初年度納付金(総額)には寄付金や学校債は含まれていません。
初年度納付金(総額)の内訳は学校によってかなり異なる
ここからは男子校・女子校・男女校(共学)等に分けて、学校ごとの初年度納付金(総額)内訳を見ていきます。
都内の私立中学校をすべて載せるのは大変なので、一部の学校を例として載せておきます。表の右端にある「寄附学債」は、寄付金や学校債の制度の有無についてです。まずは都内男子中学校の例です。
表にある男子校の初年度納付金(総額)は100万円前後が多いですが、学習院中等科・立教池袋・早稲田大学高等学院中学部は、比較的高めに設定されています。開成は996,000円で、平均値との差は5万円もありません。
授業料は大学附属(系列)の学校が比較的高くなっています。施設費がかかるのは一部の学校だけですが、ここで挙げたすべての学校で、寄付金や学校債の制度があります。
次に女子校についてです。表の女子校のなかでは、豊島岡女子学園が778,000円で最も低い額となっています。豊島岡女子学園は有名な進学校であり、納付金額と学力は必ずしも連動していないようです。
その他の学校に初年度納付金(総額)の大きな差はありません。また、表で取り上げた学校では、豊島岡女子学園以外で寄付金や学校債の制度があります。
次が男女校(共学)の例です。
渋谷教育学園渋谷以外は、すべて大学の附属(系列)を取り上げましたが、初年度納付金(総額)は慶應義塾中等部の1,343,390円から、帝京大学の814,000円まで50万円以上の差があります。
学校によって差が出るのは主に授業料で、慶應義塾中等部は授業料が860,000円に設定されていることで、総額が膨れてしまっています。
ほかに特区事業認定校(不登校生徒対象)と、特別支援学校の例と1校ずつ載せておきました。
学校別に調べて気が付いたことは、私立中学校によって納付額にかなり差があるということです。
子どもが私立中学校へ進学することも考えて、中学校3年間の費用を備えるにしても、進学する可能性の高い学校の費用で準備しておかないと、実は全然足りなかったということもあり得ます。
公立へ行かずに私立へ行くのは、その学校の教育方針に魅力を感じて行くのであり、納付金が低ければ良いというわけではありません。ただ、入学金や授業料を準備できなければ行けないのも事実です。しっかりと確実に準備しておきましょう。
※2018/04/18 内容を一部修正させていただきました。
Text:松浦 建二(まつうら けんじ)
CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士