最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.03.25
暮らし

着実に進行する2つの「老い」 管理不全マンションが増加?トラブル事例3選

さまざまな世代や考え方の異なる人々が生活するマンション。共同住宅ならではの住民間でのトラブルは、昔も今も変わらず常に起こりがちです。

その中で特に多いのが、いわゆるマナー違反が原因で起こるトラブルで、「違法駐車」、「ペット飼育」、「生活音(騒音)」、「リフォーム」、「バルコニーなど共用部」、「喫煙」など多岐にわたります。

これらのトラブルはもとより、今後、少子化や超高齢化社会(人口減少)を背景として、さらにトラブルとなるであろうと思われる事例を3つ見ていきたいと思います。
高橋庸夫

Text:

Text:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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高橋庸夫

執筆者:

Text:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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着実に進行する2つの老い

建築年数の経過とともに建物の劣化が進行していく「マンション建物自体の老い」、それと同時に、そこに居住する住民の高齢化が進行していく「マンション住民の老い」、この2つがマンションを取り巻く「老い」という問題です。
 
昨今では、高齢者が一戸建てから、個別にメンテナンス等を行う必要性が低いうえに立地条件が良く利便性の高いマンションに、転居してくる傾向も高くなっています。
 
また、マンションをいわゆる「終の棲家」とする方の割合も上昇傾向にあります。
 
これらを背景としてさまざまな問題が顕在化されていますが、最も顕著に聞かれるのは「役員のなり手不足」の問題です。多くのマンションでは、役員(理事・監事等)を輪番制など一定のルールに基づいて順番に担っています。
 
役員など面倒なことは他人に全てお任せという方々が存在することも現実ですが、それとは別に、やる気はあっても高齢に伴う身体的、精神的な理由から役員になることが困難な方々がいることも確かです。
 

管理不全マンションの増加?

 今後、マンション居住者の高齢化や人口減少により住宅需要は落ち込んでいくことが予想されています。(一説には、東京オリンピックを前後した「2020年問題」と称されている)それと相まって懸念されているのは、いわゆる「管理不全マンション」の増加です。
 
管理不全マンションとは、管理組合が存在しなかったり、管理組合が機能しないために、維持・管理や修繕が行き届かないマンションのことをいいます。
 
昨今では、前述したマンションの2つの老いを背景として、理事会が機能しない、管理費や修繕積立金の滞納、修繕資金の不足などの事態を招くケースが多く見られます。
 
その結果、組合が機能しないために老朽化しても修繕が適切になされず、共用部分のメンテナンスもままならない管理不全マンションが全国で増加傾向にあります。
 
そのため、行政においても第三者である専門家を派遣するなどの対策が実施されています。管理不全マンションでは、経年劣化による老朽化が著しく進行し、スラム化につながることもあります。
 
スラム化して治安や環境衛生が悪化すれば、マンションの資産価値は急激に下落することとなります。
 

空き家問題はマンションでも

全国平均でのマンション化率は約12.3%、最も高い東京都では約27%と言われています。つまり、東京都では全700万世帯のうち、189万世帯がマンションで暮らしていることとなります。
 
住宅供給戸数が飽和している中で、年々、築年数40年超の高経年マンションの割合も高くなってきます。
 
今後は建て替えや除却(解体)も想定されますが、マンションの場合には朽ちた一戸建ての空き家とは異なり、構造が頑丈で自然倒壊は考えにくいため、一定の計画修繕が実施されている建物であるほど、建て替えや除却がしにくい特徴があります。その結果として、老朽化したマンションにおける空き家の増加につながることも予想されます。
 

一人ひとりの「無関心」を無くす

昨今では、老朽化したマンションの空き家対策として、リノベーションや民泊利用などさまざまな取り組みが見られます。
 
また、マンション内のイベントやサークル活動などコミュニティー活動の強化に向けた独自の取組も多く見られます。
 
わが国の少子高齢化による人口構造の変化の流れは止めることはできません。これほど多くの人々がマンションという共同住宅に暮らしている中で、住民一人ひとりが当事者意識を持ち「無関心」を無くしていくことが必要となります。
 
そのためには、共同住宅という環境に暮らすための最低限の知識やルールに関する啓蒙も必要となります。
 
Text:高橋 庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー,住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士



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