最終更新日: 2019.09.02 公開日: 2018.02.26
暮らし

前職のクライアントに営業したら訴えられた!損害賠償あり?なし?

2~3月は求人数が増加する時期です。転職活動中の方も求人チェックにいそしんでいるのではないでしょうか。

ところで、転職で同業他社にいくのはよくある話です。その際は、前職のお客さんに営業をかけないことが暗黙のルールとなっています。
もし、前職のお客さんに営業をかけたり、取引を行った場合は訴えられるのでしょうか。

C君の例を参考にみてみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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石垣美帆

監修:

監修:石垣美帆(いしがき みほ)

弁護士

中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

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監修:石垣美帆(いしがき みほ)

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広告代理店に8年勤務するC君。元同僚の誘いで同業他社へ

C君(30歳)は新卒から8年、広告代理店のA社に勤務しています。
 
C君はなかなかのやり手で、お客さんの信頼も厚く、営業成績もトップレベルです。それだけに、給料が少ないんじゃないか、もう少し自分の能力を発揮できる場所があるのではないか、と考えることがありました。
 
そんなある日、3年前に退職して広告代理店を立ち上げた元同僚が「うちの会社に来ないか」と声をかけてきました。
 
話を聞いてみたところ、役員のポジションを用意するということ、給料は今の会社よりもいいとのことです。C君はしばらく悩んだ末に、転職を決めました。
 

前職のお客さんに営業。元職場の上司から「やめてくれ」と連絡が

C君は新しい仕事をすると共に、前職でお世話になった人たちに連絡しようと思いました。
 
前職で「秘密保持契約」にサインをしたことが頭をよぎりましたが、自分が前職で新規に開拓したクライアント先ならよいだろうと考えたのです。C君は連絡を取り、取引を進めました。
 
転職から数ヶ月たったある日のことです。携帯に、前の職場の上司から連絡が入っていました。
 
折り返して電話をすると、「おまえ、うちの取引先に営業しているのか。やめてくれ」という内容でした。
 
確かに、上司の気持ちはわかります。C君にも少なからず罪悪感はありましたが、競合企業であればこのようなことは仕方ないだろうと考えました。
 
その後も、C君は前職のお客さんとの取引をやめませんでした。
 

「取引をやめなければ訴える」ついにC君個人宛てに内容証明が…!

そして、しばらくたったある日、C君の元に一通の手紙が届きました。
 
それは前の職場の上司から、C君個人に宛てた内容証明です。その内容は、「前職のクライアントとの取引をやめなければ訴える」というものでした。
 
C君は法律的なことには詳しくありません。個人宛てでこのような手紙が来て、不安を感じています。
 
C君は前の会社に損害賠償を支払わなくてはいけないのでしょうか?
 

競合企業に転職し、前職のクライアントに営業をかけたり、取引を行った場合、罪に問われるのでしょうか。弁護士の石垣美帆先生にお伺いしました。

まず、職業選択の自由が憲法で守られていますので、競合企業への転職は、法律的には問題がありません。
 
ただし、前職の会社と、競業避止義務(競合会社の開業や、転職の禁止)を前の勤務先と結んでいるかは確認の必要があります。
 
今回のC君の場合、前職の営業先に、自らアプローチして、顧客開拓をされているようですので、「不法行為」もしくは、「不正競争防止法違反」にあたる可能性があります。
 
顧客情報は、前職の会社の営業秘密にあたり、それを不正に利用し、営業上利益が侵害されれば、損害賠償の対象となる場合があります。
 
逆に、クライアント側から、連絡があり、取引依頼されて行った場合は、上記の対象にはならないと考えられます。
 
せっかくの新しいスタートが、最初からトラブルになる場合があります。前職の情報の取り扱いには、十分お気をつけください。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

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