更新日: 2019.01.10 その他

隣の家のふところ事情 借金のある世帯が抱える平均額は1357万円

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 豊田賢治

隣の家のふところ事情 借金のある世帯が抱える平均額は1357万円
金融庁の貸付残高の推移によると、平成28年3月末の消費者向け貸付残高は、6兆627億円。平成21年3月末の15兆7281億円と比べると、9兆円以上減少していることが分かります。

参考URL:金融庁「消費者向、事業者向別の貸付残高(各年度末)」
http://www.fsa.go.jp/status/kasikin/20160930/08.pdf

貸金業者の過剰貸付禁止と総量規制によって、消費者全体の借金は減ってきています。この数字に、住宅ローンなどの借入額なども入れると、現状、世帯ごとではどのくらいの借金を抱えているのでしょうか。
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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豊田賢治

監修:豊田賢治(とよた けんじ)

弁護士

開成高校卒、東京大学法学部卒。弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。どんな相談に対しても「わからない」とは言わないことをスタンスに、日々クライアントのために奮闘中。
【東京桜橋法律事務所】

借金がある世帯の抱える借金の平均額は1357万円

2016年、二人以上の世帯のうち、借金がある世帯の割合は37.3%。前年に比べ0.8ポイント低下しました。
 
二人以上の世帯における、2016年の1世帯当たりの借金の平均額は507万円。前年に比べて8万円、1.6%増加という結果です。負債年収比(負債現在高の年間収入に対する比)は、前年に比べ1.6ポイント上昇しました。上記は、借金がある世帯・ない世帯を合わせた全体の平均額です。続いて、借金のある世帯の平均額をみてみましょう。
 
借金のある二人以上の世帯に限ってみると、借金の平均額は1357万円でした。借金のある世帯では、1000万円以上の借金を抱えているケースはざらにあるということですね。
 

借金のうち、約9割は住宅・土地のローン

二人以上の世帯について、借金の約9割を占めるのが住宅・土地のローンです。これらの負債は平均で452万円。前年に比べて6万円、1.3%の増加となりました。このうち、勤労者世帯の住宅・土地のための負債は平均716万円で、前年に比べて18万円、2.6%の増加です。世帯主が働いている世帯は、住宅や土地に対して高額なローンを抱えていることが分かります。
 

住宅・土地のローンの借入先は民間機関が圧倒的に多い

二人以上の世帯の住宅・土地のための負債について、借入先の内訳をみると公的機関は59万円。前年に比べて4万円、7.3%の増加です。一方、民間機関は378万円。前年に比べ5万円、1.3%の増加となりました。住宅・土地のローンを組む際は、多くの世帯が民間機関を利用していることが分かります。物件に対する条件が緩く、融資限度額も高めな点が人気の理由なのかもしれません。
 
また、住宅・土地以外の負債は平均で40万円、月賦・年賦は15万円ということが分かりました。
 
参考URL:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成28年(2016年)平均結果速報-(二人以上の世帯)」より
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei07_01000132.html
 

もし、住宅ローンが返せなくなった場合どうなる?

ここで、多くの世帯で、借金の大半を占める、住宅ローンの返済が困難になってしまった場合、どうなってしまうのか、東京桜橋法律事務所の豊田賢治弁護士にお伺いいたしました。
 
住宅ローンの場合は、多くの場合連帯保証人がついていますので、まずは、連帯保証人に支払いの催促が行きます。連帯保証人が支払ってくれた場合、その分について借主は連帯保証人へ支払う義務を負うことになります。
 
借主も、連帯保証人も支払えない状態が3か月程度続くと、借入先や契約によりますが、期限の利益の喪失となり、ローンの一括返済プラス、高率の遅延損害金を求められます。
 
借主が一括の支払いに応じることができないと、金融機関は担保の実行に移ります。多くの場合、今まで住んでいた家が競売にかけられます。競売で売れた金額が、残ローンの金額より少ない場合、さらに、借金が残るケースもあります。残った借金がとても支払いできない金額の場合は、自己破産せざるを得ないこともあります。住宅ローンといえども、無理のない、ゆとりある返済計画で完済できる物件の購入をお薦めします。
 
TEXT:ファイナンシャルフィールド編集部
監修:豊田 賢治 (とよた けんじ)弁護士
東京桜橋法律事務所 所長

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