更新日: 2020.05.25 その他

トランプ政権下、米国株の主役は?

執筆者 : 柴沼直美

トランプ政権下、米国株の主役は?
2017年の米国株はこれまでIT主導型でした。テーマとしてはiPhone8市場導入に伴う半導体関連、および半導体製造装置、省力化、IoT(インターネット・オブ・シングス)関連、AI(人工知能)など消費財や金融も入ったダウよりもNASDAQがけん引役でした。

いよいよ10月からのトランプ大統領の政策運営によりこれら主役はどうなるのでしょう。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

 

その1:長期金利上昇により金融セクター

 

リーマンショック以降、長きにわたって続いてきた超低金利からようやく卒業して資産縮小の方向に向かおうとしています。これにより、利ザヤにより収益伸張が期待できる金融セクターがまず主役になりえます。

 

その2:インフラ投資始動により運輸・資本財などの景気敏感セクター

 

10月より始動するトランプ大統領による政策運営から、インフラ投資が期待できます。大統領の求心力には疑問が残るところからどこまで期待できるかは不明ですが、運輸や資本財といったインフラ関連銘柄にとって追い風となると予想できます。

加えて、昨今堅調に推移している原油価格動向からエネルギー関連も期待したいところです。

 

NASDAQ関連は確かに成長期待大が過熱しすぎ

 

これに対して、iPhone8関連、IT関連はあまりに勢いつきすぎている感が否めません。

確かに従来以上にバージョンが上がっていくにつれて累乗的に大容量のチップが必要になり、デバイス・チップそれらを製造する製造装置メーカーの収益拡大ペースは加速すると思われますが、マーケットはこれら期待を先行して株価に織り込んでいきます。

したがってこれらのストーリーでの上昇余地は一巡しさらなる材料を市場はおねだりする、サプライズを期待する段階に入っていくと思われます。逆に、このサプライズが期待できないと市場が判断すればある程度の調整は避けられないのではないかと思われます。
 

 
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、社会保険労務士
MBA(ファイナンス)、キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表