最終更新日: 2019.01.08 公開日: 2017.10.06
暮らし

身近な電気の話 IHヒーター とガスコンロ、どちらがお得?

同じマンション内で住み替えして半年がたちました。住み心地には満足していますが、キッチンに不満がくすぶっています。そのわけは、IHクッキングヒーターが使えなくなったことです。ビルトインタイプのガステーブルなので簡単には取り換えできません。
マンションは、設計段階からガス仕様なのです。お風呂も床暖房もエネルギー利用のベースはガスです。どうしたらよいか考え中です?
藤森禮一郎

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Text:藤森禮一郎(ふじもり れいいちろう)

フリージャーナリスト

中央大学法学部卒。電気新聞入社、電力・原子力・電力自由化など、主としてエネルギー行政を担当。編集局長、論説主幹、特別編集委員を経て2010年より現職。電力問題のコメンテーターとしてテレビ、雑誌などでも活躍中。主な著書に『電力系統をやさしく科学する』、『知ってナットク原子力』、『データ通信をやさしく科学する』、『身近な電気のクエスション』、『火力発電、温暖化を防ぐカギのカギ』、『電気の未来、スマートグリッド』(いずれも電気新聞刊)など多数。

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藤森禮一郎

執筆者:

Text:藤森禮一郎(ふじもり れいいちろう)

フリージャーナリスト

中央大学法学部卒。電気新聞入社、電力・原子力・電力自由化など、主としてエネルギー行政を担当。編集局長、論説主幹、特別編集委員を経て2010年より現職。電力問題のコメンテーターとしてテレビ、雑誌などでも活躍中。主な著書に『電力系統をやさしく科学する』、『知ってナットク原子力』、『データ通信をやさしく科学する』、『身近な電気のクエスション』、『火力発電、温暖化を防ぐカギのカギ』、『電気の未来、スマートグリッド』(いずれも電気新聞刊)など多数。

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今はガスコンロとIHヒーターの併用で我慢

キッチンに200VのIHクッキングヒーターを使える200Vコンセントはありますが、冷蔵庫に隠れてしまう壁面です。調理テーブルの前面のコンセントは100V用ですから、100VIHクッキングヒーターしか使えません。本格的な200VIHクッキングヒーターを使おうとすれば、延長ケーブルを壁面に這わせ新たにコンセントを設ける大掛かりな電気工事が必要になります。したがって本格的な改修はあきらめました。

不本意ながら今は、ガスコンロとIHヒーターの併用で我慢しています。料理好きなおじいさんとしてはIHに対する思い絶ちがたく、寄せ鍋すき焼き用にと以前買った100Vの卓上型IH(1400W)を収納庫から取り出して使っています。ガステーブルと脇の狭いスペースに置いて重用しています。ただ、古いタイプは天板がガラスコーティングでないので汚れが目立ち気になります。そろそろ買い替え時かなと思います。

ガスコンロと併用ですがナベ類やフライパン類はIH仕様のものがそのまま使えますから助かっています。IHヒーターをメインに使い、電気を使いすぎになりそうな場合や来客があった時は両方を同時に使います。200Vの二口(あるいは三口)の3kWヒーターに比べると料理のスピード感は欠けますが、1400Wの一口ヒーターでも不自由は感じていません。

IHヒーター4つの利点

これまでガスとIHの両方で料理を経験してきた私がIHクッキングヒーターを好きになったのには私なりの理由があります。4点にまとめてみました。

■第1は安全・安心
ガスコンロも高機能化して安全装置は格段に進歩しています、でもウッカリ消し忘れのことなどを考えるとIHヒーターの方が安全だと思います。特に子供やお年寄りにいる家庭ではIHヒーターがお勧めです。
調理中も、ガスは可燃物に引火しやすいので、エプロンや衣服への引火の心配があります。揚げ物などの際は油に引火するのではと心配です。その点、IHヒーターは炎が出ませんから引火の危険がありません。それと、てんぷらやフライを揚げる際は、新聞紙や広告紙を折り畳んで蓋にすれば、油はねが簡単に防げます。したがってキッチン周りの汚れも防げます。これはIHならではの利点です。

■第2は使いやすさ・便利さ
弱火・中火・強火あるいは高温・中温・低温など火の勢いや加熱温度の調節は、ガスよりIHの方が容易ですね。てんぷらやフライもの美味しく上げるポイントは揚げ温度ですがこの点はIHの得意分野ですね。肉や魚のフライは低温調理でじっくり上げるとカラット美味しい仕上がりになりますね。

■3はきれいなキッチン
ガスよりIHの方が換気扇の汚れは少ないですね。これは本当に助かります。ガスは燃焼すると水蒸気と二酸化炭素になります。水蒸気は油分と混じり換気扇を汚します。排気口や換気扇はすぐにベトベトになってしまい、汚れ落としが大変ですね。燃焼のないIHヒーターは水蒸気を出しませんからキッチン周りの汚れは少ないです。年に2回も取り外して掃除すれば十分です。汚れは簡単に落ちますよ。
炎を出しませんから、ナベやフライパン、やかんなどの側面が汚れることはほとんどありません。こびりつきの汚れができないので、食器を洗う手軽さで鍋やフライパンが洗えます。いつもピカピカのナベやフライパン類がそろっているのは気持ちがいいですね。

■第4はきれいな空気
IHクッキングヒーターの利点の一つは調理中にCO2を排出しないことです。温暖化につながります。部屋の空気は汚れませんし調理による室温上昇も抑えられますから、換気も少なくて済みます。トータルには経済的だと思いますね。

ガスとIHの併用は、熱源の多様化

以上は、すぐれて個人的な感想です。異論、反論もあるかもしれませんね。私たちが慣れ親しんできた「炎のある生活」を、便利とはいえ、IHクッキングヒーターにより失うのには抵抗がある人もいるかもしれません。炎の見える料理には、それなりの趣があり、味わいがあります。子どもたちに語り継いでいくためにも、せめて台所には「安全に使える炎」を残しておくべきだ、との気持ちも理解できます。その意味ではガスとIHの併用は、熱源の多様化という点からも評価されるかもしれませんね。

ガスコンロ対IHクッキングヒーターの光熱費の経済性

最後になりましたが、ガスコンロ対IHクッキングヒーターの光熱費の経済性を比較してみましょう。いろいろな比較の仕方がありますが、「エナジー・ナビ」のデータを参考にさせてもらいました。これは最も売れ筋の機種を使った場合の都市ガス、LPガス、電気について具体的に経済性を比較検討しています。詳細なデータは省略しますが、結論的に言うと、安さの順番は安い方から
都市ガス<電気<LPガスの順だそうです。単純な比較ですから、調理法や時間帯によって順番が変わるかも知れません。IHクッキングヒーターは、煮物などは電気代が安い夜の時間帯を選んで調理すれば安上がりになるそうですよ。

経済性ではありませんが、中華鍋が使えるガスコンロには特有の調理法がありますし、IHヒーターにはフラットな鍋底を活かした調理法があります。これは経済性を超え調理をする人の好みの問題です。中華料理には平底のIHクッキングヒーターのフライパンより、丸底の中華鍋で豪快に料理したい、汚れても後で掃除すればよい、と思う人はやはりガスでしょう。料理が好きか、外食派か、家族構成はどうかなど、それぞれの事情で選べばよいのですね。好みもありますしね。光熱費は一つの判断基準ということですね。



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