更新日: 2019.01.08 暮らし

身近な電気の話 電力の契約先を切り替えますか? それともこのまま継続しますか?

身近な電気の話 電力の契約先を切り替えますか? それともこのまま継続しますか?
 
 電力市場で小売り自由化が実施されて1年余。電力会社の契約先を切り替えるスイッチング件数が5月で全体の10%を超えました。経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会は8月22日、5月時点での一般家庭向け(低圧)における電力契約のスイッチング件数が約634万件に達したと発表しました。スイッチング率は10.1%でとなりました。自由化後1年で一区切りとなる1割を超えたことになります。
 
 
藤森禮一郎

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Text:藤森禮一郎(ふじもり れいいちろう)

フリージャーナリスト

中央大学法学部卒。電気新聞入社、電力・原子力・電力自由化など、主としてエネルギー行政を担当。編集局長、論説主幹、特別編集委員を経て2010年より現職。電力問題のコメンテーターとしてテレビ、雑誌などでも活躍中。主な著書に『電力系統をやさしく科学する』、『知ってナットク原子力』、『データ通信をやさしく科学する』、『身近な電気のクエスション』、『火力発電、温暖化を防ぐカギのカギ』、『電気の未来、スマートグリッド』(いずれも電気新聞刊)など多数。

藤森禮一郎

執筆者:

Text:藤森禮一郎(ふじもり れいいちろう)

フリージャーナリスト

中央大学法学部卒。電気新聞入社、電力・原子力・電力自由化など、主としてエネルギー行政を担当。編集局長、論説主幹、特別編集委員を経て2010年より現職。電力問題のコメンテーターとしてテレビ、雑誌などでも活躍中。主な著書に『電力系統をやさしく科学する』、『知ってナットク原子力』、『データ通信をやさしく科学する』、『身近な電気のクエスション』、『火力発電、温暖化を防ぐカギのカギ』、『電気の未来、スマートグリッド』(いずれも電気新聞刊)など多数。

スイッチング件数10%超え

 

 スイッチング件数の内訳を見てみましょう。みなし小売り電気事業者(旧一般電気事業者、10電力会社のこと)から新電力へのスイッチング件数が約353万件で約5・6%、みなし小売り電気事業者内のスイッチング件数が約281万件で約4・5%に達しました。新電力に切り替えず、地元の電力会社との契約を維持しつつ、自由化料金メニューに切り替えた顧客が案外多いことがわかりました。

 

 では、販売電力量で見てみましょう。昨年の4月以降、小売り電力市場における新電力のシェアは徐々に拡大してきていますが、今年4月時点で販売電力量ベースの新電力シェアは約9・2%に達しています。電圧別に見ると産業向けの特別高圧・高圧分野に占める新電力シェアは約12・1%、低圧分野に占める新電力シェアは約4・6%となりました。スイッチング率と新電力シェアに多少のズレがありますが、これはスイッチング件数が契約口数であるのに対し、新電力シェアは販売電力量をベースにしているからですね。

 

自由化に伴い、小売りの新電力数百社が誕生しましたが、総販売電力量(低圧)に占める新電力各社のシェアを見てみましょう。4月時点の上位各社のシェアは以下の通りです。
 
①東京ガス・・・24%

②KDDI・・・13%

③大阪瓦斯・・・11%

④JXFGエネルギー8%

⑤大東エナジー・・3%

⑥サイサン・・・ 3%

⑦東急パワーサプライ2%

⑧ジェイコムウエスト2%

⑨SBパワー・・・ 2%

⑩ケイ・オプティコム2%

⑪~⑳・・・1%

 

(Looop、MCリテールエナジー、ジェイコムイースト、

エネット、北海道瓦斯、ハルエネ、サミットエナジー、ミツウロコ、イーレックス・スパーク・マーケッティング、イーレックス・スパーク・エリアマーケッティング)

(注)各社別のデータは4月の販売実績に基づくものです。

 

需要種別販売電力量の実績

 

 では、電力・ガス取引監視等委員会が同日に公表した5月の需要種別販売電力量の実績(概要)を紹介します。

 

 電気事業者の販売電力量の総量は634・7億kWhでした。内訳は特別高圧:190・8億kWh、高圧:227・0億kWh、低圧電灯:191・0億kWh、低圧電力:24・9億kWh、その他需要:1・0億kWhです。このうち新電力の販売電力量の総計は65・8億kWhで販売電力量全体に占めるシェアは約10・4%でした。需要種別シェア実績は特別高圧6・9%、高圧18・4%、低圧電灯5・2%、低圧電力2・8%-となっています。わずかですが増加しています。

 また、みなし小売り電気事業者の販売電力量(低圧)に占める自由料メニューの平均割合は低圧電灯で約33・7%、低圧電力で約31・4%となっています。新電力分も含めた販売電力量(低圧)に占める自由料金メニューの割合は低圧電灯で約37・3%、低圧電力で約33・6%となっています。スイッチング率を上回っている点は注目ですね。

 

 今回は専門的な数字がたくさん登場してきましたが、スイッチングを検討する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。ケータイ番号持ち運び(ポータビリティー)制度への対応と同様、電力契約の変更についても、消費者は冷静な対応を示しているように思われますね。それとも、料金メニューやサービス内容にスイッチングを積極的に促すほどの魅力を感じていないのでしょうか。もうしばらく推移を見守りましょう。

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