更新日: 2019.01.08 インタビュー
今後、ロボットの発達によって実際の生活はどう変わるのかロボットベンチャーの取締役に聞いてみた
今回は、ロボットベンチャーの「QBIT Robotics」の広屋取締役にお話をお伺いしました。
「QBIT Robotics」は、ロボットやICT企業で長年経験を積んだメンバーでスタートしたベンチャー企業です。
ロボットと人のコミュニケーションのあるべき姿を追求し、ロボットが効率化とエンターテインメントを同時に提供する「ちょっと楽しくて役に立つロボット・サービスの提供」を目指しています。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「QBIT Robotics」がしていることは大きく2つ。ひとつはロボット・サービスの提供
今、「QBIT Robotics」がしていることは主に2つです。
ひとつは、渋谷にオープンした協働ロボットが本格ドリップコーヒーを提供する「変なカフェ」に代表される飲食業向けロボット・サービスを次々と世の中に提供していくことです。
通常、お店でコーヒーを提供するには3人程度の人が必要ですが、「変なカフェ」では0.3人分の仕事をする人がいれば、ロボットと一緒に3人分の仕事をこなすコーヒーショップを運営することができます。
このロボットのソフトウェアと周辺機器を取り換えることで、ビア・バーや軽食を出すお店にすることもできます。
ロボット自体は高価ですが、人件費が圧縮されるので、数年内でコストを回収できるそうです。「QBIT Robotics」はこのように、産業用ロボットをサービス業で活用するための活動をしています。
2つ目は3DアバターとAIでのリモート接客
2つ目は、長崎のハウステンボス内にある無人バーの「変なバー」に代表される3DアバターとAIによるリモート接客システムをさまざまな業種に展開していくことです。
「変なバー」では、お客さんはタブレット上の3Dアバターの店員さんと会話ができますが、実はこの3Dアバターは、東京にいるスタッフが、体につけたセンサーやカメラによって動かしています。
東京のスタッフが、長崎の3Dアバターにリアルタイムに乗り移っているような状態です。このアバターには、接客上手になるための仕組みも搭載しています。
生身の人間だと、お客さんの言葉にムッとしてしまうことがあるかもしれませんが、このシステムでは嫌な表情はお客さんに見えないようにするフィルターがかかっているそうで、生身の人間よりも心地よいコミュニケーションが提供できるそうです。
また、このシステムでは、3Dアバターを操る接客スタッフが足りない時や定型の対応に対しては、AIスタッフを搭載することができる、3DアバターとAIのハイブリッドモデルを採用しています。
AIスタッフは、こういうジェスチャーで、こう話したらお客さんが喜んでくれるということを会話の中で学習していき、徐々に接客レベルを向上させていくことができます。
この遠隔操作できる3Dアバターは、販売店やコールセンターなどさまざまな場面で利用可能です。この仕組みが汎用化されれば、地球上、国、距離に関係なく仕事の分業が可能になります。
それにより、働き方、稼ぎ方が大きく変わってくる可能性があります。
テクノロジーの進化で、働き方の選択肢が拡大していく
3Dのアバターやロボットを遠隔から容易に操作できるテクノロジーが進めば、「在宅でできる仕事が増える」と考えられます。
物理的な距離に関係なく働くことが可能になりますので、通勤によって就業が難しかった高齢の方でも、できる仕事の選択肢が広がります。
もうひとつ、ロボットが接客を担うことによって、よい接客というものが伝承でき、心地よいコミュニケーションやサービスを受けることができるかもしれないとのことです。
テクノロジーの進化により、私たちの働き方の選択肢が拡大していくことがわかりました。人間とロボットが役割分担をして、お互いの得意分野を伸ばし、共存できる未来になればすてきですね。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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