更新日: 2020.04.14 自動車保険

自動車保険に付ける車両保険。一般条件と車対車・限定の違いとは?

自動車保険に付ける車両保険。一般条件と車対車・限定の違いとは?
自動車保険に加入する際、付けるか、付けないかで迷うのが「車両保険」ではないでしょうか。
 
自動車保険は、「賠償責任保険(対人・対物)」、「人身傷害保険」、「車両保険」と大きく3つに分けられます。車両保険は、車が壊れたり、傷ついたりした場合の修理費用をカバーすることを目的にした物保険です。
 
車両保険の目的は多くのドライバーが知るところ思いますが、いかんせん、これを付けると保険料が高くなります。ドライバーのなかには付けるかどうかを迷う方がいるのではないでしょうか。
 
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

車両保険の補償内容

車両保険の補償内容を再確認すると、一般的に次のようになっています。
 
〔一般条件〕
・他の自動車との衝突
・盗難
・火災・爆発
・台風・竜巻・洪水・高潮
・落書・いたずら
・物の飛来・落下
・電柱やガードレールなどへの衝突
・自転車との衝突・接触
・墜落・転覆
・当て逃げ
 
車両保険は物保険です。自動車が破損したり、盗まれたりといったことが想定されており、損害に対して保険金が支払われます。
 
分かりやすい例でいうと、「自動車がガードレールにぶつかり、自動車の一部が壊れた」といった自損事故の場合、車両保険金額を限度として、損害額から自己負担額を差し引いた金額が支払われます。
 
上述の補償内容は「一般条件」といわれるものですが、「車対車・限定特約」を付帯すると、補償を限定できます。
 
〔車対車・限定〕
・他の自動車との衝突
・盗難
・火災・爆発
・台風・竜巻・洪水・高潮
・落書・いたずら
・物の飛来・落下
 
一般条件との違いは、「電柱やガードレールなどへの衝突」、「自転車との衝突・接触」、「墜落・転覆」、「当て逃げ」がカバーされない点です。車対車・限定特約を付けて車両保険に入っている方は少ないように思いますが、補償内容を限定することで保険料を安く抑えることができます。
 
ただ、車対車・限定では、往々にして修理費用を全額自腹で賄う必要が出てくることも想定できます。電柱やガードレールにぶつかるといった自損事故などが起こり得るからです。
 
修理費用が少なければまだいいですが、ある程度まとまった費用となると、結果的に持ち出しが増えてしまったということになりかねません。等級ダウンして、その後に保険料が増加することも考えられます。
 
車両保険について検討する場合、他にも複合的に考えるべきポイントはありますが、自動車自体は動産であることを念頭におきましょう。価値を基準に考え、車両保険は一般条件のものに加入しておいた方がいいかもしれません。

まとめ

車に対する考え方や価値観が時代とともに変化してきました。都市部では、「車を持たず、必要なときに借りればいい」という考え方が広がってきているのは必然的と思います。しかし、郊外や地方部での暮らしでは、車は生活に必要なものという考え方も根強くあります。
 
また、近年、高齢者ドライバーなどの事故を受け、免許の返納に対する意識が高まってきています。「将来的に車は手放すもの」という価値観も人々の間に芽生えてきているのではないでしょうか。
 
昨今の潮流を踏まえると、自分や家族の人生にとって「車の価値とは何なのか」を考えたうえで、車両保険を検討する必要が出てきているように思えます。
 
人生は人それぞれですので、これが正解という答えはありません。ご自身にあったカーライフを見据え、補償と家計のバランスを取りながら車両保険について考えるようにしましょう。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)


 

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