更新日: 2019.01.10 その他保険

海外旅行保険のお得な入り方

海外旅行保険のお得な入り方

海外での医療費は、日本と比較すると高額になることが多いのは事実です。

実際、タイで一か月入院した方の費用は400万円だったと聞きます。

海外では医療費の100%が自己負担になりますが、日本では多くの方が健康保険の適用で3割負担以下に軽減されることがその理由の一つでもあります。

海外での高額な医療費に備えて入る海外旅行保険は、どうすればお得に入れるのでしょうか。

そもそも保険とは、「貯蓄でまかないきれない大きな保障に短期間で備える」ことに対して有効です。過不足ない保障を準備するためには、必要なものだけを買うことが賢い利用法といえます。
岩永真理

Text:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

 

「治療費用」が最優先

 
心配だからとすべての保障をつけると、当然保険料も高くなります。

旅行期間中にどれくらい各々のリスクに遭遇する確率があるのか、冷静に判断することも必要です。

空港などの代理店やネットの海外旅行保険サイトでは、まず旅行期間や地域を聞かれ、パッケージ商品をお勧めされるでしょう。

パーケージもピンからキリまであり、例えばアジアへの7日間の旅行に対して、1,770円~8,390円までの開きがあります。

一番必要なのは現地でけがや病気になった場合の治療費用です。

本来、治療費用だけ単品で購入できればよいと思われますので、ネットでオーダーメードすることも可能です。保険会社によっては、オーダーメードでも治療費用のみの購入は難しくそれに付加が義務付けられている商品も購入しなければならない場合もあります。

死亡保障については、日本で既に生命保険に入っている、或いはクレジットカード自動付帯のものがあるのであれば、海外に行くからと取り立てて海外旅行保険で死亡保障に入る必要はないでしょう。
 

治療費用の必要保障額は?

 
アジアといえども、日本人が治療を受けるクラスの病院では数百万円かかることも珍しくありません。

そのかわり、日本の一般の病院などより病室や食事がよい、という例は報告されています。

アジアでも一回の治療につき最低でも100万円以上、500万円程度の保障があるとよいでしょう。

既にお手持ちのクレジットカードで自動付帯される海外旅行保険があれば、新たに購入しなくてもすむかももしれません。各クレジットカードの条件を確認されるとよいでしょう。

アメリカ・カナダは医療費が特に高額なので、1千万~2千万円、予算が許せば無制限も検討されてもよいでしょう。

ヨーロッパやオセアニアも、医療費が無料の国も一部ありますが、無料診療は混雑していて待たされると旅行者には不向きのケースもありますので、やはりアメリカ・カナダに準じる程度あると安心です。

 

日本の健康保険や民間の医療保険は使えるの?

 
<日本の健康保険>

海外療養費が適用になります。

帰国後に所定の用紙を提出すれば、保険が適用される部分に関して還付を受けられます。

ただし、あくまでも同じ治療を日本で受けた時と同等の金額がベースとなって計算されます。

<例:3割負担の人の場合>
■現地での治療費:200万円
■日本で治療したと仮定した際の治療費:100万円
■健康保険からの還付金:100万円×70%=70万円
■最終的な自己負担額:200万円-70万円=130万円

上記例での3割負担の人の最終的な自己負担額は、

× 現地での治療費200万円×3割=自己負担額 60万円
ではなく、
〇 現地での治療費200万円-日本での還付金70万円=自己負担額130万円
となります。

医療費の計算方法は国や病院によって様々です。

新興国であっても日本人が治療を受ける病院は高額になりがちですので、健康保険の還付を受けてもなお上記のように高額負担が余技なくされることもあり得ます。

また、国民健康保険は、日本に住所がないと加入できませんので注意が必要です。

ロングステイなどをされて住民票が日本にないと対象外になります。

<民間の医療保険・共済など>

手術給付金や入院給付金(1日5千円、1万円など)などは、海外で治療を受けても適用になるものがあります。

ご自身のお持ちの医療保険の約款を確認しておかれると安心です。

また、万一海外で治療を受けた際に、知らずに請求しないで時効になることを防げます。
 
 
Text:岩永 真理(いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表

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