入院日数が最短なのは神奈川?入院のご当地事情
配信日: 2017.10.25 更新日: 2019.01.11
平均の入院日数を都道府県別に確認してみたところ、都道府県によってかなり違いのあることがわかりました。
入院への備えをより適切にしておくためにも、都道府県による入院事情の違いを確認しておきましょう。
Text:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
入院日数が最も短いのは神奈川県、長いのは高知県
前回の「傷病ごとに大きく異なる入院日数」で取り上げた傷病ごとの入院日数に続いて、今回は都道府県ごとの入院日数を調べてみました。
総数の平均在院日数は31.9日ですが、都道府県別ではかなり日数に差があります。
平均在院日数が長い都道府県は、高知県(48.8日)、鹿児島県(47.1日)、徳島県(46.7日9の順で、四国や九州が多くなっています。
逆に平均在院日数が短い都道府県は、神奈川県(24.9日)、愛知県(25.7日)、宮城県(26.9日)の順で、5位までは全て関西より東の都道府県となっています。高知県は神奈川県の約2倍にもなります。地域によってこれほどまでに入院日数に差があるのは、医療施設の整備状況や治療方法等に大きな違いがあるのかもしれません。
心疾患の入院日数は都道府県によって4倍近い差がある
総数(全傷病)だけでなく、傷病ごとに悪性新生物・心疾患(高血圧性のものを除く)・脳血管疾患の平均在院日数も調べてみました。特に入院日数の長い都道府県と短い都道府県を下記に載せてあります。
がん(悪性新生物)の平均在院日数は神奈川県が15.4日で最も短く、全国平均の19.9日より4.5日、最も長い沖縄県より25.6日も短いです。
がん治療において入院日数は短い方が良いのかわかりませんが、患者の負担は短い方が軽いのではないでしょうか。
心疾患(高血圧性のものを除く)の平均在院日数は岡山県が最も短く、僅か12.4日です。全国平均の20.3日より1週間以上も短く、最も長い宮崎県(46.9日)と比べると1/4程度しかありません。
ここまで差があると、心疾患に対する備えは都道府県によって変えた方が良さそうです。
脳血管疾患の平均在院日数は宮城県が最も短い59.5日で、全国平均(89.5日)より30日も短いです。
また、最も長い石川県とは70.6日もの差があります。入院日数が長い脳血管疾患ですが、1ヵ月や2か月も入院日数に差があると、経済的負担も大きな差が付きそうです。
入院日数の長い青森県と短い秋田県は隣県なので、これだけ差があると越境して治療する人が出てくるかもしれません。
病気やケガで治療をすることになったら、ほとんどの場合、普段生活している自宅や職場に近い病院へ行くでしょう。
もし、そこが入院日数の長い都道府県であって短い都道府県での治療をのぞむ(逆の場合も同様)なら、予め希望する医療施設の情報を入手し、いざという時に確実に対応できるようにしておきましょう。
Text:松浦建二(まつうらけんじ)
CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士