保険、入っている意味がないから辞めたい
配信日: 2017.10.20 更新日: 2019.01.10
かつては保険って入って当たり前だと思っていたけれど、高額療養費の話をきて、一定以上額であればかかった医療費が健康保険から戻ってくるというしくみがあることがわかりました。
では、今の保険を入っていてもあまり意味がないと思うので辞めたいのですが、というご質問に、減額以外の方法をご紹介しています。
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
払済み保険への変更
保険料の払い込みを中止して、その時点での解約返戻金をもとにして保険期間はそのまま(例えば65歳とか70歳はそのままキープ)で保障額の少ない保険に変更します。このとき、入院や手術などの特約がついていればそれらの特約はすべてなくなります。
解約返戻金が少ない場合(かけた年数が短い場合)は変更できない場合もあるので留意しましょう。
延長(定期)保険への変更
先ほどと同じように保険料は払わずに、その時点での解約返戻金をもとにして保険金額はそのまま(3000万円など)定期ほけんに変更する方法があります。保険金額はそのままですから、当然保険期間は当初は65歳までだったのが40歳など短くなります。
この場合も入院・手術などの特約はすべて消滅しますし、払い込んだ期間が短い場合には変更できない場合があります。
自動振替貸付制度
解約返戻金の範囲内で保険料を自動的に保険会社が立て替えて契約がそのまま継続される方法です。やはり解約返戻金が少ない場合には立て替えそのものができません。立て替えられた保険料には利息がつくことに注意が必要です。
そうまでして、保険を継続するメリットは?
入院などの特約がなくなって、保険期間が短くなったり保険金が少なくなったりして、あるいは保険会社に後々利息を支払ってでも保険を継続するメリットは何でしょう?細々でも継続していれば、とりあえず「保障」はお金を払わないけれど継続するということ、解約返戻金はまたたまっていくという点です。
しかしながら「あとで、やっぱり収入が増えたので元に戻したい。」と思っても元の大きな保障、長い保障期間、入院特約付きの保険にもどすことはできませんので、解約のタイミングは思いつきではなく、早めに対策をたてておくのが賢明です。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、社会保険労務士
MBA(ファイナンス)、キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表