生命保険料は安くしたいけど更新型はイヤ!
配信日: 2017.10.06 更新日: 2019.01.07
筆者が保険会社で営業をしていたときから導入された更新型の終身保険。
この商品の最大のアピールポイントは目先の保険料が安いことですが、保険商品に詳しい方なら抵抗ありますよね。でも保険料は安く抑えたいという方に、低解約返戻金型終身保険は検討に値すると思います。
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
途中解約は大きなペナルティ
舌を噛みそうなこの商品名を聞くだけで嫌気がさすかもしれませんが、きちんと保険料を払っていけばお得感を味わうことができる商品です。
平たく言うと、月々の保険料が割安になっているというメリットがあるかわりに、保険料払込期間中に途中解約すると、通常の終身保険に比べて払い戻される金額が大幅にディスカウントされるというデメリットもあるという商品です。
ざっくりしたイメージでは、月々の保険料が同じ保証の終身保険より10~15%ほど低く抑えられていますが、保険料払込期間中の解約返戻金は、保険料を払い込んだ年月数により計算される金額に低解約返戻金割合(70%)を乗じて計算されます。
保険料払い込みが終わったあとは、メリット発揮!
保険料払い込み満了(例えば60歳だとすると)、それ以降(61歳以降)の戻り率は通常の終身保険を上回ります。言い換えると、低解約型も通常型も解約金は同じなので、保険料が低かった分だけ「率」にすると高くなり、お得感が発揮できます。
保険会社のパンフレットを見ていただいても、低解約型のイメージ図は、60歳以降急に解約率が上昇したように描かれていますがその仕組みが示されているからです。
無配当型が多くインフレに弱いというが…
この商品の旨みを味わうためには、大前提で保険料を払い続けるということがあります。通常の終身保険よりも低額ですが、途中でギブアップしないようにプランを組むことが重要です。
次に無配当型が多いのでインフレに弱いという意見もありますが、少子高齢化という日本の構造的問題が解決されない限り金利を上げる(インフレに誘導する)ということは考えにくいことから、筆者は少なくとも半永久的にインフレになると思えないため、インフレ対策というのは意識する必要はないかと思います。