年金額が18万未満になりそうな定年間近のサラリーマン。「65歳」になると「介護保険料」の払い方が変わる? 「保険料が増える」こともあるって本当?
配信日: 2025.06.20

そこで今回は、65歳になると介護保険料の支払い方法や保険料がどのように変わるのかを詳しく解説していきます。

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介護保険制度について
介護保険制度における被保険者は、年齢によって次の2種類に分けられます。
●第1号被保険者:65歳以上の人
●第2号被保険者:40歳以上65歳未満の医療保険の加入者
40歳になると、第2号被保険者として介護保険に加入することになります。第2号の段階では、介護保険料は医療保険(健康保険や国民健康保険など)と合わせて徴収されるため、給与から天引きされる人も多いでしょう。
一方、65歳になると、介護保険制度上は第1号被保険者として扱われます。保険料は医療保険とは別に市区町村が直接徴収する仕組みです。
65歳以降の介護保険料の納付方法について
65歳になり第1号被保険者になると介護保険料の支払い方法も変わります。年金を受給している人は、原則として特別徴収(年金天引き)が適用されます。
金融広報中央委員会の知るぽるとによれば、特別徴収の対象となるのは、年金受給額が18万円以上の人です。この条件を満たしていれば、介護保険料は年金から自動的に天引きされるため支払い忘れの心配も少なくなるでしょう。
一方で、年金額が18万円未満の人や、年度途中で65歳になった人、年度途中で引っ越してきた人などの納付方法は普通徴収(納付書や口座振替での支払い)です。自治体から納付書が送られてくるので、期限内に納付するようにしましょう。
65歳になると介護保険料が増える理由
65歳の第1号被保険者になると介護保険料は高くなる可能性があります。介護保険料が高くなる理由としては、おもに次の2つ要因が考えられます。
介護保険料の算出方法が変わるため
40歳~65歳の第2号被保険者の保険料は、加入している健保組合や全国健康保険協会、自治体の国民健康保険(国保)によって異なります。
65歳になると介護保険料は市区町村によって金額が定められているため、住んでいる地域の高齢者の数が多い場合や、介護にかかる費用が多くかかっている地域などでは介護保険料が高く設定されることもあるようです。具体的な保険料の算出方法は次の通りです。
・第1号被保険者の保険料=基準額×所得に応じた料率
所得に応じた料率は0.3〜1.7の9段階あります。ただし、この9段階はあくまで標準であり各自治体の状況に応じて柔軟に設定できるようです。また、基準額は各市区町村で必要な介護サービス総費用×65歳以上の人の負担分(23%)÷市区町村に住む65歳以上の人の人数で算出します。
介護保険料の負担割合が変わるため
第2号被保険者のときは介護保険料を会社と折半していましたが、65歳になると全額自己負担になります。また、これまで配偶者の健康保険の被扶養者として保険料を支払っていなかった人も、65歳をむかえると第1号被保険者となります。そのため、65歳以降は自分自身で介護保険料を負担するようになるため、介護保険料が高くなったと感じる人もいるでしょう。
介護保険は65歳以降納付方法が変わり保険料も高くなる可能性がある
65歳になると第1号被保険者に切り替わり、介護保険料の納付方法や金額が変わる可能性があります。具体的には、これまで健康保険料とあわせて給与から天引きされていた介護保険料は、年金額が18万円以上あると年金からの特別徴収が適用されます。18万円以下の場合は、自治体から送られる納付書で支払うようにしましょう。
また、これまで介護保険料を支払う必要がなかった被扶養者の方でも、65歳以降は介護保険料を支払う必要があります。そのため、保険料が高くなったと感じる方もいるでしょう。65歳以降の介護保険料について今一度理解し、納付方法や今後の生活設計を見直しておくと安心です。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 介護保険のしくみ
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー