30歳会社員です。毎月「3万円」の「貯蓄型保険」に入っていますが、最終的な“総支払額”はいくらになるのでしょうか?
配信日: 2025.06.15
しかし、多くの人にとって月々3万円という保険料は決して安いものではないでしょう。そこで、長期的に見たときにどのくらいの支出になるのかを把握しておくことが、今後のライフプランにおいてとても大切となります。
本記事では、貯蓄型保険に毎月3万円支払った場合の総支払額がいくらになるのかを具体的に計算しながら、払込期間の違いによる影響や、見直しを検討する際のポイントについて解説します。

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
貯蓄型保険の総支払額を計算する方法
貯蓄型保険の総支払額は、単純に「月額保険料 × 12ヶ月 × 払い込み年数」で求めることができます。例えば、毎月3万円を30年間支払うとすると、年間では36万円、30年間では1080万円となります。つまり、30歳で契約を開始して60歳まで支払いを続けた場合、その間に1000万円以上の保険料を支払うことになるのです。
この金額は住宅の頭金や老後資金にも匹敵する規模なので、契約時に「総額でいくら払うことになるのか?」を意識しておくことは非常に重要です。加入時は月額だけを見て契約してしまうこともありますが、長期的な視点での支払総額を把握しておかないと、後々後悔する可能性もあります。
払込期間の違いが総額に与える影響
同じ月額保険料であっても、払込期間が異なれば総支払額には大きな差が生まれます。月額3万円の保険料の支払いを20年間に限定すれば、支払総額は720万円です。しかし、35年間払い続けるプランであれば1260万円にもなります。たった15年の差で、500万円以上も支払総額が変わるのです。
払込期間が長くなるほど、月額の負担感は抑えられる反面、トータルで見た支払金額は大きく膨らみます。
逆に、払込期間を短く設定すれば、支払総額を抑えることができますが、月々の負担は重くなります。どちらがよいとは一概にはいえませんが、自分の年齢や収入、将来の出費予定などを踏まえたうえで、無理のない期間設定をすることが大切です。
また、長く支払いを続けていると、その間にライフスタイルの変化や家計の見直しが必要になる場面も出てきます。こうした場合でも柔軟に対応できるように、保険契約の条件や変更可能な範囲を事前に確認しておくと安心です。
保険の見直しを考えるときのポイント
貯蓄型保険は一度契約すると、長期間にわたって支払いが続くため、定期的に契約内容を見直すことが推奨されます。特に家計に余裕がなくなったと感じたときや、結婚・出産・住宅購入など大きなライフイベントがあったときには、保険内容が今の生活に合っているかどうかを再確認するよいタイミングです。
見直しの際には、毎月の保険料が現在の収入に対して過大ではないか、今後も無理なく支払い続けられるか、保障内容が今の自分に必要なものかなどを検討する必要があります。
また、最近では返戻率の低い保険商品も増えており、長期間支払いを続けても元本割れしてしまうケースもあります。そのため、貯蓄目的で加入しているのであれば、保険以外の金融商品との比較も視野に入れるとよいでしょう。
さらに、途中で解約を検討する場合には、解約返戻金の額をしっかり確認することも大切です。契約から数年以内に解約すると、支払った保険料よりも返戻金が大幅に少なくなることもあるため、解約前には冷静に判断する必要があります。
貯蓄型保険は「総額」で捉えた選択をしよう
毎月3万円という金額は、日々の生活のなかでは大きな出費と感じにくいかもしれませんが、長期的に見れば1000万円を超える支払いにつながることがあります。そのため、加入時や定期的な見直しの際には、必ず「総支払額」を意識して検討することが重要です。
将来の保障と備えとして貯蓄型保険は心強い存在ですが、それに見合う価値があるかどうかは、自分の生活スタイルや資産計画に合っているかどうかで決まります。無理なく支払える金額か、払込期間は適切か、保障内容は現在のニーズに合っているかを確認しながら、長期にわたる支出として納得できる契約であるかを見極めましょう。
安易に「貯まるから安心」と考えるのではなく、「いくら払って、何が返ってくるのか」を冷静に計算することが、後悔のない保険選びにつながります。これを機に一度、ご自身の保険内容を見直してみてはいかがでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー