自転車事故に備えて「個人賠償責任保険」に入りました。「1億円」の補償があるのですが、他の保険はいらないのでしょうか?
配信日: 2025.06.08


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個人賠償責任保険の補償内容の整理
「個人賠償責任保険」とは、自転車事故などで他人にケガをさせたり、物を壊してしまったりした場合に、その賠償責任を補償してくれる保険です。
●補償されるのは「法律上の損害賠償責任」のみ
●被害者への治療費や物の修理費などが対象
●補償額「1億円」は、かなり手厚い部類
例として、自転車で通行人にぶつかり後遺症をもたらした場合、裁判で数千万円の賠償命令が下ることがあります。こういったケースに備えるのがこの保険です。
他に必要となる可能性のある保険
「個人賠償責任保険」は加害者側の補償ですが、自分自身がケガをしたときの補償は含まれていません。以下の保険も検討の余地があります。
1. 自転車事故による「自分のケガ」を補償する保険(傷害保険)
自分が事故でケガをした場合、入院費や通院費、手術費などが発生します。その補償には「傷害保険」や「自転車保険に付帯される傷害補償」が必要です。SBIホールディングス株式会社の「自転車保険に関するアンケート調査」によると、半数以上が自転車保険に加入しています。
●転倒して骨折、入院・手術が必要になった場合(例)
●補償対象
通院日額、入院日額、手術費など
2. 損害賠償請求に対する「弁護士費用保険」
相手と示談が成立しない、あるいは自分が被害者なのに相手が過失を認めないケースでは、弁護士への相談や訴訟が必要になることもあります。
●弁護士費用特約などで対応可能
●特に、自転車対車両事故で被害者側となった場合に有効
3. 車との接触事故に備えた「自動車保険特約」
自動車保険に「個人賠償責任補償」や「人身傷害補償特約」などを追加している人もいます。この場合、すでに重複している可能性もあるので、見直しも必要です。
保険の重複に注意するポイント
すでに「個人賠償責任保険」に加入していて、別の保険(自動車保険、火災保険、クレジットカード付帯保険など)でも同様の補償がある場合、重複して保険料を払っている可能性があります。
●家族型で加入しているか? (家族全員が補償されるなら重複は不要)
●クレジットカードに付帯していないか?
●自動車保険の特約として入っていないか?
保険証券や契約内容を見直し、「どの保険で何がカバーされているか」を確認して、無駄なく整理しましょう。
個人賠償責任保険だけで本当に十分か?
「1億円の個人賠償責任保険」は、自転車事故に対して非常に有効な備えです。ただし、それだけでは以下のようなケースに対応できません。
●自分自身のケガへの補償
●示談交渉・裁判の弁護士費用
●保険の補償範囲外の事故や日常生活での別のトラブル
そのため、
●通勤・通学で自転車をよく使う
●小さな子どもや高齢者が家族にいる
●自動車にも乗る
といった方は、「傷害保険」や「弁護士費用特約」なども合わせて検討するとより安心です。逆に、自動車保険や火災保険に特約で個人賠償責任が含まれている場合は、重複していないかを確認して、保険料を節約できる余地がないか見直すことをおすすめします。
出典
SBIホールディングス株式会社 自転車保険に関するアンケート調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー