「保険って入るべき?」リスク管理のプロが教える「必要な保険」「不要な保険」の見極め方とは
配信日: 2025.02.24

「必要な保険と不要な保険」のシリーズでは、どのような保険に入るべきで、どのような保険には入る必要がないのか、保険の基本から説明していきたいと思います。

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
早稲田大学卒業後、大手メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超える。その後、保険代理店に勤め、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表、駒沢女子大学特別招聘講師。CFP資格認定者。証券外務員第一種。FPとして種々の相談業務を行うとともに、いくつかのセミナー、講演を行う。
趣味は、映画鑑賞、サッカー、旅行。映画鑑賞のジャンルは何でもありで、最近はアクションもの、推理ものに熱中している。
保険はリスクマネジメントの一手段
そもそも「リスク」とは何でしょうか?
リスクとは、「損失や危害、または、利得が生じる可能性」で、単なる「損失の可能性」ではありません。
自然災害、火災、自動車事故のように、損失のみをもたらし利得の可能性がないリスクもあれば、株価変動、為替変動、企業買収、経済政策による景気変動など、損失だけでなく利得をもたらす可能性があるリスクもあります。
リスクは、一般的に「純粋リスク」と「投機的リスク」に分類されます。
「純粋リスク」とは、自然災害・火災・事故などによって「損失が発生する可能性だけがあるリスク」で、利益が発生する可能性はありません。これらのリスクの多くは、多数の事例についてデータを収集すれば、事故の発生する頻度を統計的確率によって捉えることができます。
つまり、純粋リスクは「保険に転嫁しやすいリスク」ということができます。自然災害、火災、自動車事故などがこれに当たります。
一方「投機的リスク」とは、損失と利益の両面が考えられ「損失を被るか、利益を得るか分からないリスク」です。
投機的リスクは純粋リスクと比較して、統計的な把握や予測が困難なリスクとなります。株価変動、為替変動、企業買収、経済政策による景気変動などがこれに分類されます。
先ほど述べたように、一般に保険の対象となるのは純粋リスクということができます。
保険とは、純粋リスクに関して多数のデータを収集することで発生の確率を求め、広く保険料を収集することによって、リスクのもたらす損失を経済的に担保しようとするものです。
リスクマネジメントとは?
リスクマネジメントは、単に損失を経済的に担保することではありません。リスクマネジメントのプロセスには、リスクの発見、リスクの評価、リスクの処理などがあります。
リスクの発見とは「どのようなリスクがあるかを見つけ出すこと」、リスクの評価とは「損失の発生する頻度とその規模を推測して、リスクの特徴や影響を見定めること」、リスクの処理とは「リスクごとに最善の方法を選択して、リスクを最小化する対策を施すこと」といえます。
自宅の火災を例にとって考えてみましょう。
自宅の火災の可能性や、隣家への類焼の可能性を認識することは「リスクの発見」となります。自宅の火災が発生する頻度はどのくらいか、発生した場合の規模はどのくらいになりそうか考え、実際に推定することは「リスクの評価」というプロセスになります。
それに加え、「リスクの処理」のプロセスは2とおりあり、「リスクコントロール」と「リスクファイナンシング」を合わせて「リスクの処理」といいます。
リスクコントロールとは、リスクの発生を未然に防止したり、発生したリスクによる損害を最小限に抑えたりするための手法です。またリスクファイナンシングとは、損失を補填するために金銭的な手当てをする方法をいいます。
例えば、消火器やガス漏れ検知器を設置したり、たばこの火の不始末に注意を払ったりすることは「リスクの改善」すなわち「リスクコントロール」であり、火災が発生したときの経済的損失をカバーするために保険に加入することは「リスクファイナンシング」ということができます。
まとめ
保険は「リスクマネジメント」の一環として活用されるものですが、すべての保険に入ればよいわけではありません。必要な保険は、万が一の際に生活が立ち行かなくなるリスクを補うものですが、不要な保険に加入するとムダな支出が増えてしまいます。
自分に必要な保険を見極めるには、まず「どんなリスクがあるのか」「そのリスクを自分で負担できるか」を考えることが大切です。保険はあくまでリスク管理の手段の一つ。賢く選び、ムダのない保障を備えましょう。
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー