「投資信託」と「保険」どちらがお得? 資産運用で「節税」できるのはどちらなのでしょうか?

配信日: 2025.02.22

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「投資信託」と「保険」どちらがお得? 資産運用で「節税」できるのはどちらなのでしょうか?
資産運用を考える際、「投資信託と保険、どちらが有利なのか?」と悩む人は多いのではないでしょうか。特に運用益にかかる税金を考慮すると、選択肢によって手元に残る金額が大きく変わることもあります。
 
本記事では、投資信託と保険商品の税制上の違いを比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。資産運用を考えている方は、どちらの選択肢が自分に合っているのか、ぜひチェックしてみてください!
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
 
早稲田大学卒業後、大手メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超える。その後、保険代理店に勤め、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。
 
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表、駒沢女子大学特別招聘講師。CFP資格認定者。証券外務員第一種。FPとして種々の相談業務を行うとともに、いくつかのセミナー、講演を行う。
 
趣味は、映画鑑賞、サッカー、旅行。映画鑑賞のジャンルは何でもありで、最近はアクションもの、推理ものに熱中している。

https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

資産運用保険と株式・投資信託の税務上の比較

保険商品と株式・投資信託の課税関係の違いを紹介します。
 
1.保険料・掛け金
 
(1)保険商品の場合、保険料は生命保険料控除の対象になるので、年末調整や確定申告で税金が還付されます。
 
(2)それに対し、株式・投資信託の掛け金には、税務上のメリットはありません。株式・投資信託に支払った掛け金は、全て課税の対象です。
 
2.運用益
 
(1)保険商品の場合、保険金または給付金を一時金で受け取ったときは一時所得の対象となり、その場合は運用益から50万円を控除した金額の1/2しか課税対象になりません。かなりの部分が非課税になるのでメリットは大きく、これは資産運用保険だけでなく、全ての保険商品に適用されます。

一時所得の課税額の計算

一時所得の金額=一時所得扱いとなるその年中の総収入金額-収入を得るために支出した金額-50万円(特別控除額)
 
課税される金額=一時所得の金額×1/2

この控除の有無が、株式・投資信託との大きな違いです。年金で受け取った場合は、特段の控除枠はありません。
 
(2)これに対し、株式・投資信託の運用益はその全額が課税の対象となり、譲渡所得として課税されます。

譲渡所得の課税関係

譲渡所得の課税対象額=(株式・投資信託の売却金額+配当金)-(同左購入金額+手数料)
 
運用益全てに譲渡所得の税率:20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)を掛けた金額が課税されます。

なお株式・投資信託を、iDeCoやNISAのような運用益非課税の制度で運用した場合には、課税されません。ただし、iDeCoやNISAで運用できる株式・投資信託は限られており、通常は課税対象となります。
 

資産運用保険と投資信託の税金の比較

続いて、保険商品にはどれだけの税務上のメリットがあるのか、条件を設定して検証してみましょう。

条件:年収700万円、夫は給与生活者・妻は専業主婦・子ども2人(5歳・10歳)
 
保険商品:保険料300万円、解約返戻金500万円
 
投資信託:投資金額300万円、投資信託の売却金額500万円
 
保険料・投資金額は一時払いとし、解約返戻金または満期保険金・投資信託の売却金額は、一時金として受け取るものとする。

(1)資産運用保険の場合:
1.保険料所得控除による還付税額:
 
一般生命保険料控除(新契約)が適用されるものとします。
 
この場合は300万円の保険料を1回で支払いますが、一般生命保険料控除(新契約)の最高額は4万円なので、生命保険料控除は4万円になります。所得税額は20.42%(復興特別所得税含む)、住民税率(所得割)は10%とします。

所得税還付税額 4万円×20.42%=8168円
 
住民税減額 2万8000円×10%=2800円
 
還付税額計 1万960円

2.一時所得適用による解約返戻金または満期保険金への税額(所得税+住民税+復興特別所得税):
 
一時所得の場合、運用益から50万円を控除した額の1/2に総合課税されるので、次のようになります。
 
(200万円(運用益)-50万円)×1/2×20.315%(所得税+住民税+復興特別所得税)=15万2362円
 
3.200万円の運用益に対する支払税額:
 
15万2362円-1万960円=14万1402円
 
(2)投資信託の場合
譲渡所得適用による売却益への課税(所得税+住民税+復興特別所得税)
 
200万円×20.315%=40万6300円
 
支払税額計 40万6300円
 
(3)保険商品の税務メリット
運用益200万円(100%)
 
保険商品の場合の税額 14万1402円(7.1%)
 
投資信託の場合の税額 40万6300円(20.3%)
 
保険商品の税務メリット=節税効果
 
14万1402円-40万6300円=マイナス26万4890円(マイナス13.2%)
 
200万円の利益を上げた場合、保険商品では株式・投資信託と比較して26万円、すなわち利益の約13%も節税できることになります。
 
注)還付税率および運用益に対する税率は、所得税・住民税・復興特別所得税を合わせて、20.315%とする。
 

まとめ

この記事では、資産運用のための保険商品におけるメリットである「節税効果」について説明をしました。なお先述のこの節税効果は、解約返戻金または満期保険金を一時払いにしたときに得られるもので、年金払いにした場合は投資信託と変わらなくなります。
 
保険商品による資産運用も基本的に投資信託で行うので、運用結果は投資信託の場合と比べて、良くなるわけではありません。むしろ、保険関係費など保険会社の取り分を引かれるので、そのデメリットと税制上のメリットが相殺される可能性・デメリットがメリットを上回る可能性があり、どちらを選ぶかはきちんと計算する必要があります。
 
また、NISA・iDeCoで投資信託を運用すれば税金がかからなくなるので、NISA・iDeCoの運用枠に余裕があって、その対象となる投資信託で運用するのであれば、それが最も有利だということができます。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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