更新日: 2020.05.15 生命保険

生命保険証券の見方って知っていますか?見直すべきポイントとはナニ?

執筆者 : 船津正明

生命保険証券の見方って知っていますか?見直すべきポイントとはナニ?
皆さんからの相談依頼件数で、常に上位にランキングされるのが「保険の見直し」です。よくあるのが、数年前に金融機関で勧められて加入したものの、どんな内容だったか覚えていないというパターンです。
 
原因は、保険証券の中に記載されている専門用語が理解できていないことにあります。本稿で、ポイントをしぼって解説してまいります。
 
船津正明

執筆者:船津正明(ふなつまさあき)

CFP1級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券外務員1種 日商簿記2級 生命保険・損害保険募集人資格
所属団体 日本FP協会 兵庫支部 幹事
こうべ企業の窓口 会員
認定NPO法人 はんしん高齢者くらしの相談室 正会員

2014年11月に中立の立場でお客様の思いを大事にする船津正明FP事務所を開設しました。 2015年より中小企業経営者をサポートする相談窓口「こうべ企業の窓口」の会員として、また認定NPO法人「はんしん高齢者くらしの相談室」の正会員として地元の高齢者をサポートする地域貢献活動も行っております。その結果、専門外のご相談にも対応出来る態勢が整いました。

https://funatsufp.com/

終身保険の保険証券で見るべきポイントとは?

・「契約者」と「被保険者」
契約者と被保険者が違う契約も多数あります。契約者とは、保険契約の保険料の負担者であり、契約上の権利と義務を持つ人です。被保険者とは、保険の対象となる人です。
 
・「保障内容」「特約・特則」「保険期間・払込期間満了日」
保険証券には、主契約と特約の違いや、どういう場合にいくらの保険金が支払われるのかなどの重要事項が記載されています。最近では保険会社から定期的に、詳細な内容を記載したご契約明細なども郵送されてきますし、Web上でもチェックできるようになっています。
 
よくある勘違いが、保険期間と払込期間を混同していることです。保険期間と払込期間は必ずしも一致しません。保険期間が思っていたよりも短いと、高齢になって保険が必要となったときに保険期間が満了になっている場合があります。そうなっては意味がありません。
 
また、「10年自動更新」と記載があれば、多くの場合、次の更新の際に保険料が上がります。終身の払い込みなら、これから総額でいくら払うのか、必ず確認してください。
 
・「解約返戻金額表」
保険を解約したときに受け取れる金額のことです。通常はその隣に払込金額累計額も記載されています。両方を見比べて、いつ頃解約すれば有利かを判断します。返戻率という数字も載っているはずなので、何年間払っていくら返ってくるかが見直しのポイントです。この数字が低いようなら、一度他商品と比較してみましょう。
 
・「特別条件」
被保険者の疾病歴について、将来の保険契約に影響を与えると保険会社が判断すれば、契約を謝絶されます。しかし、その影響が身体の特定の部位だけに留まると判断すれば、特定部位不担保という形で引き受けてくれる場合があります。
 

外貨建て終身保険の保険証券で見るべきポイントとは?

・「保険金の保証額は外貨ベース」
基本的な仕組みは、円建ての終身保険と同じように、被保険者にもしものことがあれば死亡保険金が支払われます。それが外貨(米ドルや豪ドル)だというのが違う点です。円では保証されていませんので、為替差損については注意が必要です。以下、前述と同じ項目は割愛します。
 
・「基本保険金額」「保険料」
基本保険金額や保険料も、外貨で記載されているケースが多いです。商品の中には、「円入金特約」や「円支払い特約」を付けて保険料を円で払い込み、保険金を円で受け取れるタイプもあります。その際、どれくらいの為替手数料が引かれるのかはチェックしましょう。かなり高額になるケースがあるので、注意が必要です。
 
・「積立利率」
積立利率は3%程度が最低保証されているものもあり、円建てよりも有利というのが外貨建てのメリットです。しかも、基本的に積立利率は毎月改定されるので、対象国の金利が上がればさらに有利になります。しかし、現在の金融情勢では、大幅に積立利率を上げるのは難しいと思います。
 
・外貨建て終身保険の最大のデメリットは、リスクと諸費用の説明が不充分!
・「保険関連費用」「解約控除」「年金管理費」

 
多くの外貨建て保険商品の保険証券には、保険関連費用について明確な記載はありません。保険契約の締結・維持にかかる費用であり、契約年齢や性別によって異なるために一律には記載できないという理由ですが、契約者には開示すべきと思います。
 
解約控除は、短期間での解約で引かれる費用ですが、最大7%というものも多く、高額です。年金管理費も、年金として受け取りを希望される方は負担しなければいけない費用なので、記載がなければ必ず確認しましょう。
 
執筆者:船津正明(ふなつまさあき)
CFP1級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券外務員1種 日商簿記2級 生命保険・損害保険募集人資格
所属団体 日本FP協会 兵庫支部 幹事
こうべ企業の窓口 会員
認定NPO法人 はんしん高齢者くらしの相談室 正会員
 

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