更新日: 2019.01.10 損害保険

火災保険料が引き上げられそう…でも、そもそも火災保険料ってどうやって決まっているの?

執筆者 : 金澤佳也

火災保険料が引き上げられそう…でも、そもそも火災保険料ってどうやって決まっているの?
皆さん、いざというときに備えてご自分のお住まいに火災保険は掛けていますか?
 
最近、台風やゲリラ豪雨、地震など、日本各地で自然災害が多発しています。
 
建物や家財に被害が出てしまった場合、火災保険に加入しておけば金銭的な負担を軽減できます(ただし、地震・噴火・津波を原因とする火災などの場合は「地震保険」に加入しておく必要があります)。
 
しかし、報道によると各保険会社はこれら災害を受けて、来年度の火災保険料を4年ぶりに引き上げる見通しです。
 
災害と火災保険の関係をひも解いていきましょう。
 

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金澤佳也

Text:金澤佳也(かなざわ けいや)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、2級DCプランナー
宅地建物取引士、証券外務員1種、2種メンタルヘルスマネジメント検定

「安心して100年暮らせる」ためのアドバイス。
社会保障制度を踏まえたうえでiDeCo、NISA、保険の使い方のアドバイスを得意とする。

そもそも火災保険とは?

「火災保険」と名前が付いていますが、最近の火災保険は火災だけでなく、落雷、水災、盗難、破裂など、さまざまな原因による建物・家財などの損害を補償してくれます。
 
「災害時には国や自治体が何とかしてくれないの? 」と思いますが、やはりそれだけでは生活を元に戻すためには不十分です。
 
災害の可能性は低くても起こったときの被害が甚大なので、火災保険で備えておくことが大事なのです。
 

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保険料はどうやって決まるの?

火災保険の保険料は、簡単に言えば「災害が起きる可能性×建物などが災害に耐えられる力」というイメージが分かりやすいと思います。
 
では、火災保険の保険料がどうやって決まるかを見ていきましょう。
 
1 リスクの数値化
 
まず、保険という仕組みにおいて、一番重要になってくるのは「リスク」=「災害が起きる可能性」です。
 
火災保険においては「どの災害が起きやすいか?」「どの場所で発生しやすいか?」といったものを評価していきます。
 
日本では、「損害保険料率算出機構」※という法律によって作られた組織がそれらの評価を行っています。
 
火災保険は「火災保険参考純率」というものを損害保険料率算出機構が計算し、各保険会社がこれを参考に、それぞれの火災保険の保険料を決定しています。
 
「火災保険参考純率」を決定する際は、「建物などが災害に耐えられる力」も関係してきます。
 
木造とコンクリート造、単純に考えても「燃えやすいのはどちらか?」「大きな力がかかったときに耐えられそうなのはどちらか?」想像がつくと思います。
 
ですので、「火災保険参考純率」の決定においては、構造別に計算がされています。
 
2 各保険会社での保険料の決定
 
実は「保険料」は、「純保険料+付加保険料」という2階建て構造になっています。
 
「純保険料」とは、損害が発生したときの保険金に充てる部分のことで、1の「火災保険参考純率」を基に計算されます。
 
「付加保険料」とは、保険会社の運営などに充てる費用部分のことで、これは各社の企業努力に委ねられています。
 
これら2つを各保険会社がそれぞれ計算して、皆さんの「保険料」が決まります。
 

自然災害が多いとどう影響するの?

1「火災保険参考純率」
 
先ほどの「火災保険参考純率」は、一度計算されたら終わりというわけではありません。
 
さまざまな状況の変化により、リスクが変わることもあるので、毎年参考純率が適正であるかの検証がされています。
 
その検証の結果、参考純率の変更が適切ではないとなった場合に、「火災保険参考純率」の改正が行われます。
 
つまり、自然災害が増加して保険金の支払いが多くなったりすると、改正される可能性が高まると言えるのです。
 
2 最近の改正
 
最近では2018年5月に「火災保険参考純率」の改定がありました。本改定に大きく影響したのは2013年の雪害、2015年の台風15号だったようです。
 
結果として、全国平均で+5.5%、参考純率が増加しました。こういったことからも、今回の保険料引き上げも避けられなかったといえます。
 

災害の多さと火災保険料は密接に関係している

平成30年は本当にさまざまな災害がありました。災害救助法の適用を受けたものだけでも、5件発生しています。
 
2月:豪雪(福井)
6月:大阪北部地震(大阪)
7月:豪雨(高知、鳥取、広島、岡山、京都、兵庫、愛媛、岐阜)
8月:豪雨(山形)
9月:北海道胆振東部地震(北海道)
 
それ以外にも異常気象でひょうが降ったり、竜巻が発生するなど、火災保険の対象になる災害が多く発生しました。
 
繰り返しになりますが、火災保険料と災害の数は関連しています。
 
今回の引き上げでも分かるように、災害が多いほど保険料は値上がりしてしまうのです。ただ、値上がりするとしても、火災保険は万が一の際に金銭面で大きな支えとなります。
 
日本は災害の多い国です。皆さんもこれを機に、ご自分の火災保険の加入状況を確認してみてはいかがでしょうか?
 
※損害保険料率算出機構
 
Text:金澤 佳也(かなざわ けいや)
トラスト 代表取締役
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、2級DCプランナー
宅地建物取引士、証券外務員1種、Ⅱ種メンタルヘルスマネジメント検定
 

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