更新日: 2019.01.10 その他保険
「こんな会社辞めてやる!」 でも、保険はどうなる?税金は?転職するときに気をつけたい5つのお金の問題とは
資金を充分に用意したつもりが途中でやり繰りが厳しくなってしまった。
そんな事態に陥ってしまうことのないよう、転職を考えるにあたり気をつけておきたいお金の問題を5つご紹介します。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
問題(1) 当面の生活費
転職活動を行うために現在勤めている会社を退職してしまうことで、収入が途絶えてしまうことがあります。
しかし、家賃や食費、ローンなどの生活費は変わらず発生します。
雇用保険をあてにしていたとしても、状況によっては数ヶ月の待期期間があるうえ、従前の給与と同額の収入が確保されるわけではありません。
また、退職と同時に転職先の会社で働きだしたとしても、給与の計算時期や支給日が前の会社と異なり、生活費が危うくなってしまうことがあります。
たとえば、転職前の会社の給与が当月支払いなのに対し、転職先の会社が翌月20日払いといったような場合です。
転職活動にあたっては当面の生活費を充分に確保したうえで余裕をもって臨むようにしましょう。
問題(2) 転職活動の費用
転職活動を進めるにあたってはさまざまな費用が発生します。
たとえば、面接に向かう際の交通費やスーツなど服飾品の購入、履歴書に張り付ける証明写真の費用などが挙げられます。
特に面接で遠方まで出向くことが想定される場合、その費用が予想以上の出費となってしまうこともあるため注意が必要です。
問題(3) 社会保険料
退職から次の就業までに間が空いてしまう場合、その間は自身で国民健康保険などに加入しなければなりません。
なぜなら、退職と同時に、会社の社会保険から脱退することになるからです。
また、会社に勤めているときは社会保険の保険料を会社が半分負担していました。
ところが、退職後は会社の社会保険から脱退するため、会社の負担分がなくなります。
40歳以上になると介護保険料も発生するため「社会保険料はこんなに高かったのか!」と驚くことも少なくないでしょう。
ただ、一定の条件のもと年金の免除や健康保険の任意継続といった制度を利用し、退職後の社会保険を抑えられることがあります。
とはいえ、任意継続は社会保険の資格喪失日から20日以内に申請することなど、厳格な要件が定められているため、退職したら即社会保険の手続きを進めるようにしてください。
問題(4) 所得税
在職中の所得税は「おおむねこれくらいだろう」と所得を見積り、それをもとに所得税が計算され、毎月の給与から差し引かれています。
在職中であれば年末調整によって正確な金額を割り出し、払いすぎた分や逆に不足している金額がないか会社が計算し、還付などを行ってくれていました。
ところが、退職後はそれらの手続きを確定申告により、自身で行わなければなりません。
そのため、年内に次の就業先が決まらなかった場合や、就業先の年末調整に間に合わなかったというような場合は自身で確定申告を行うようにしてください。
問題(5) 住民税
住民税は多くの会社において「特別徴収」により、毎月の給与から自動で天引きされています。
しかし、退職後は毎月の特別徴収が行われません。
基本的には退職時期により次の区分に従い、納めることになります。
※一括の場合は最後の給与や退職金などから住民税分を引くといったことが想定されます。
分割の場合は後日役所から送られてくる用紙によって自身で納税します。
転職にお金の問題はつきもの
「こんな会社辞めてやる!」そう思ったとき、まずお金の問題について考えてみてください。
転職には生活費だけでなく税金や社会保障などさまざまなお金の問題が発生します。
満足のいく転職活動とするためにも、お金の問題について充分検討しておくようにしてください。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士